こんにちは。保育士の柳です。
出産という大イベントを経て、赤ちゃんはこの世の中に産まれてきました。
ようこそ、赤ちゃん。よく産まれてきてくれたね。
あなたは、生まれて初めて赤ちゃんと顔を合わせました。
十月十日お腹の中で育っている命を感じてきましたね。やっと会えた赤ちゃんを見たとき、どんなことを感じましたか?
初めて赤ちゃんを抱っこしたときは、どんな気分でしたか?
ほら、赤ちゃんはもうあなたの目をじーっと見つめてくれています。
生まれたての赤ちゃんも、たった今お母さんになったお母さんも新人同士です。
これからずうっと、どうぞよろしくね。
大変なこともあるけれど、赤ちゃんは毎日毎日確実に成長していきます。
そして赤ちゃんは自ら育つ力を持っています。
この子育てコラムではあなたの赤ちゃんの少し先の成長をちらっと覗いてみたり、今まさに困っていることのヒントになったり、赤ちゃん子育てのお役に立てたらいいなと願ってご紹介していきます。
さあ、これからどんな赤ちゃんとの生活が始まるのでしょう?
のんびりとゆったり、赤ちゃんの成長について見ていきましょう。
目次
1.産後ママのココロとカラダの話
赤ちゃんの成長を見ていく前に、まずは赤ちゃんを語るにはとても重要な産後ママのココロとカラダの変化についてお話していきますね。
いきなりで恐縮ですが、現実のお話から。
子育ては「こんなの聞いてないよー!」という出来事の連続です。笑
産後のお母さんたちからよくこんなことを聞きます。
「赤ちゃんってずっとすやすや眠っていると思ってた。ドラマみたいに赤ちゃんの寝顔を見ながら微笑む…そんなイメージだったのに。」
「赤ちゃんってこんなに泣くんですね…」
「産後、自分が心も体もこんなに辛くなるなんて考えもしなかった!」
妊娠中は、とにかく無事に元気な赤ちゃんを出産することだけを願っていたお母さんたち。
ところが無事に出産を終えるとホッとする間もなく、ほぼ休む間も無く育児生活がスタートします。
ふんわりとイメージしていた赤ちゃんがいる生活と、かけ離れた現実もあるようです。
1-1.誰もが産後うつになる可能性がある
もしかしたらこれを読んでくれている方の中には、子育てがつらいと感じてらっしゃる方もいるかもしれません。
一般的にかわいい赤ちゃんに恵まれ、幸せいっぱいなイメージがあるママ。
「こんなにかわいい赤ちゃんがいるのに、つらいなんて言ったらひどい母親だよね…」
こんなふうに自分を責めてしまっている人もいるかもしれません。
子育てに関する意識調査では、7割の母親が「子育てで孤立を感じている」、約半数が「育児ノイローゼだと感じることがある」と答えています。
財団法人こども未来財団「平成18年度 子育てに関する意識調査報告書」より(平成19年2月)
1-2.子育てがつらいと感じるのは、あなたのせいじゃないよ。犯人は…
どうして産後にこんなに不安になるのか、答えはホルモンにありました。
妊娠中はエストロゲンとプロゲステロンというホルモンの分泌が、出産に向けて急激に増えていきます。
エストロゲンは胎児の成長に合わせて子宮を大きくしたり母乳分泌など、母親になる準備を促す働き、そして気持ちを前向きにする効果があります。
プロゲステロンは、性欲を抑えて妊娠を維持してお腹の中の赤ちゃんを守る働きをします。
このふたつのホルモンの出産直前の分泌量は、エストロゲンは通常の100〜200倍、プロゲステロンは10〜20倍に急増します。
その急増したふたつのホルモンは、産後急に激減します。
その急な身体の変化に付いていけず、心が不安定になります。
さらに追い討ちをかけるように、気持ちを前向きにしてくれていたエストロゲンの減少により脳の神経細胞の働き方が変わり、強い不安や孤独を感じやすくなるといわれています。
出産後ホルモンバランスが劇的に変化し身体がついていけない中、初めての慣れない育児がスタートするのです。
そんな中、小さな不安が大きくなっていったりちょっとしたことでイライラしてしまうのは仕方がないこと。
子育てがつらい。そう感じるのはあなたのせいではないのです。
1-3.子育てがつらい時の対処法
この状況を乗り越えるには、身近な人に不安な気持ちを伝えたり同じ思いのママ同士気持ちを打ち明けあったり、プロの力を借りて産院や地域の保健師さんなどに相談してみましょう。
子育てする上で大切なことは、助けて欲しい時に周りに「助けて」と言えることだと私は考えています。
それはママのためでもありますが、子どものためです。
だって子どもはひとりでは育てられません。
アフリカには『子どもひとり育てるには、村ひとつ必要』ということわざがあるそうです。村中の人の知恵や教え、人間関係があってやっとひとり子どもを育むという考えなのだそうです。
今の日本では日中は母子ひとりになりがちです。ひとりでがんばりすぎずに、家族だけではなく地域や周りの人の力を借りていきましょ。
他の方法として、下記の4〜6ヶ月の部分で書いている赤ちゃんのタッチケアマッサージをすることをお勧めします。
赤ちゃんをマッサージしたり肌に触れていくことで、しあわせホルモンと呼ばれるオキシトシンというホルモンが赤ちゃんにもママにも分泌されていくので、安心感・愛情が生まれ不安やストレスが軽減するのです。
2.赤ちゃんの成長目安をみてみよう
ここまではお母さんの身体の変化についてみてきましたが、さあいよいよ赤ちゃんの成長についてみていきましょう。
0歳代の発達には大きく個人差があります。発達には飛び級はないので、順番通りに進みます。例えば首が座らないうちに寝返りはできませんよね。
つかまり立ちをする前に歩くことはできません。
子どもは自分が一番良いタイミングで『できるようになる』時期を決めます。子どもの育つ力を信じて見守っていきましょう。
2-1.赤ちゃんの身体の発達|できるようになる時期の目安
あくまでも多くの赤ちゃんができるようになる目安の時期ですので、参考までにご覧くださいね。
□首がすわる| 2ヶ月半〜5ヶ月半くらい
□寝返りをする| 4ヶ月〜7ヶ月くらい
□支えなしでお座りをする| 5ヶ月半〜8ヶ月半くらい
□はいはいをする| 7ヶ月〜1才すぎくらい
□つかまり立ちをする| 7ヶ月半〜1才くらい
□ひとりで立つ| 10ヶ月半〜1才前半くらい
□ひとりで歩く| 11ヶ月半〜1才半くらい
産後お母さんも急激な身体の変化に戸惑いながらがんばっていますが、赤ちゃんも自らの生命力を発揮してがんばっていますよ。
3.月齢別赤ちゃん成長ガイド
3-1.生まれたばかりの新生児のころ(0か月)
生まれたばかりの赤ちゃんをお母さんの胸の上に乗せると。自分で乳首を探すような仕草をして自分で探し出してちゃんと吸い付いてきます。
こんなふうに、口に触れたものを吸うことを吸啜反射といいます。
赤ちゃんは、自分で体に必要な栄養を取り込もうとする本能・生きようとする本能を持って生まれてくるのですね。
こんなに小さな赤ちゃんなのに、生まれながらに育っていく力を持っているんです。そう思うと、ますます赤ちゃんがいとおしく見えてきませんか?
乳首を吸うのは難しい
赤ちゃんにとって、お母さんの乳首や哺乳瓶の乳首から母乳・ミルクを飲むことは、はじめはとても難しいことなんです。
1.鼻で上手に息をしながら、乳首に吸い付く
2.肺に入れないように気をつけて飲みこむ。
生まれたばかりの赤ちゃんは、こんな高度な動きをこなしておっぱいを飲んでいるのです。
赤ちゃんって、すごい能力を持っているし健気な努力家なのですね。
この時期赤ちゃんがなかなか吸い付けなかったり、お母さんの授乳の準備ができないなど、授乳に関するトラブルはよくあることなので、心配になったら産院や助産師さんに相談してみてくださいね。
新生児時期のポイント
昼夜の区別なく、2〜3時間おきにおっぱい・ミルクを飲んで寝る生活
赤ちゃんは泣いて気持ちを表現します。赤ちゃんが泣いて訴えたり、乳首を探すようなそぶりを見せたら授乳をしていきます。
赤ちゃんが泣く→授乳→泣く→授乳と、赤ちゃんの訴えに答えていくと自然に授乳のリズムがついていきます。
赤ちゃんもお母さんの身体も上手にうまくまわるように神様が作ってくださったのだなあと、感心します。
お母さんも赤ちゃんのリズムに合わせて、なるべく身体を休めていきましょう。
産後3週間は、お母さんの身体と赤ちゃんを第一に考えよう
昔から[産後は3週間で床上げ]と言われています。なんとなく聞いたことはありませんか?
母親は、産後の3週間は無理して働かずゆっくり身体を休めておきなさいという意味です。
分娩後のお母さんの子宮内部は、胎盤が剥がされ傷ついています。通常、子宮が妊娠前の元の大きさに戻るのは4週間ほどかかると言われています。
お母さんの身体の回復と、赤ちゃんとお母さんの愛着関係お基礎を築くことを第一に考えて、産後3週間はなるべく家事や家のことはお手伝いしてもらうようにしましょう。
3-2.1〜3ヶ月のころ
新生児と言われる時期から、生後2か月目に入りました。この時期は、実は赤ちゃん時代の中でいちばん目立たず地味な時期です。
でもそんな中で、目立たないけれど体の中で着々とすごい成長をしている時期でもあるんです!
人生の中で1番増える時期
ここでみなさんに質問です。
「この時期の赤ちゃんは、人の人生の中であるものが1番増える時期です。さて、あるものとはなんでしょう?」
何だろう。何かのホルモン?髪の毛かな?
答えは[体重]です。この時期の赤ちゃんは、1日に25〜30g体重が増えていくんです。
生まれた時の体重はだいたい3キロですから、3か月で2倍になるんです!
すごい増加率ですよね。
「は!?私だってダイエットやめたからそれくらい増えてるわよ!」という強者もいらっしゃるかもしれませんが、この時期の赤ちゃんの成長っぷりにはかないません。たぶん。笑
赤ちゃんのすごい能力
ここで、もし赤ちゃんが起きていたら遊んでみましょう♪
まず赤ちゃんと20〜30㎝の距離で顔を見合わせてみて。
赤ちゃんが目を見てくれたら、ベーと舌を出してしばらく見せてあげてください。
しばらくすると、面白いことが起こりますよ。
なんと、赤ちゃんも真似をしてベーと可愛い舌を出し始めます!
舌を出す他に、大きな口を開けてみると赤ちゃんは結構な確率でまねっこしてお口を開けます。
この現象は赤ちゃんの模倣と呼ばれますが、実はまだこの赤ちゃんの能力の仕組みは解明されていないのだそうです。
赤ちゃんの能力は、私たちが思っている以上にすごいのかもしれませんね。
1〜3ヶ月ころの育児ポイント
おっぱいやミルクを吐きやすい
赤ちゃんはまだ胃の入り口の締まりがゆるいため、ちょっとした刺激で飲んだおっぱいやミルクなどを吐き戻しやすくなっています。
水風船をイメージしてみてください。入り口をきちんと閉じていない水風船は、すぐに水が漏れたり外に飛び出したりしてしまいますよね?
赤ちゃんの胃も同じように、まだ胃が未発達なため吐きやすいのです。
授乳時に一緒に空気を飲み込んでいるため、授乳後は縦に抱っこして背中をさすってゲップをさせてあげましょう。
だいたい3ヶ月くらいになったら、胃が発達してきて吐き戻しも少なくなってきます。
ただ、嘔吐と下痢を繰り返すときは感染力の強いロタウィルスなどの可能性もあるので、受診をするようにしましょう。
追視ができるようになる
追視とは、赤ちゃんの目の前でおもちゃなどを見せて動かすとそれを追って見ること。
新生児の頃は出来なかった追視を、この時期から左右におもちゃや人の顔を追って見ることができるようになるのです。
3-3.4〜6ヶ月のころ
生まれたばかりの頃は、[生理的微笑]と言われる反射現象として微笑んでいた赤ちゃん。
大きくなってきて、大人が抱っこしたり触るとニッコリと笑う[社会的笑い]をするようになってコミュニケーションがますます楽しくなってきました。
首すわりとは
3ヶ月から6か月くらいまでに、首がすわるようになります。
首すわりとは、赤ちゃんが首の筋肉でしっかりと頭を支えられるようになることです。
首すわりの見極め方
□縦に抱っこしても首がぐらぐらしない
□上半身を起こすと頭が一緒についてくる
□うつ伏せの状態で、頭を持ち上げることができる
睡眠について
この時期になると、少しずつ夜にまとまって眠ってくれる赤ちゃんもいますが、まだまだ新生児のように細切れでしか寝ない赤ちゃんもいます。
寝る前は暗くリラックスでいるようにしたり、日中はよく遊んだりして対策をしても寝ないようなら、あきらめた方が良いかもしれません。
きっとそれは子どもの個性だからです。手のかかる子どもほど、良い子に育つと言われます。
今は大変かもしれませんが、良い子に育つのだなと前向きに考えていけたらいいですね。
4〜6ヶ月ころの育児ポイント
タッチケアでコミュニケーション
お風呂上がりやお着替えの時、赤ちゃんを裸にしたまま「気持ちいいね〜。ここはおへそだよー」などと赤ちゃんに優しく声をかけたり歌ったりしながら肌をなでていきましょう。
親子が肌を触れ合うことで、絆ホルモンとかしあわせホルモンと呼ばれるオキシトシンというホルモンがお母さんにも赤ちゃんにも分泌されます。
このオキシトシンの分泌により安心感・愛情が生まれ、不安やストレスが軽減されるといわれています。
寝返りができるようになる頃、部屋の安全を再確認しよう
寝返りとは、腰やお腹に筋力がついてきて腰をひねって足を交差させてその勢いで体を回転させることです。詳しくはこちらの寝返りの子育てコラムをご覧ください。
寝返りでうつ伏せになったまま、元の仰向けに自分で戻れず泣いて元に戻してよーと訴えてきたりします。
寝返りしてうつ伏せのまま寝たり長時間放っておくと窒息などが心配です。
気が付いたら元の仰向けに戻してあげたり、柔らかい毛布やぬいぐるみなどは近くに置かない、など対策が必要です。
3-4.7〜9ヶ月のころ
だんだんと行動範囲が広がり、好奇心もますます旺盛になってきました。
おすわりが一人でできるようになってきて、興味があるものを見て声を出しておしゃべりするようになってきます。
おすわりってどんな状態?
はじめは背中を丸めて、体の前に手をついて座ります。まだ慣れないうちは、お尻の後ろにU字クッションなどを当ててあげると倒れても頭を打たずに済みます。
だんだん筋力がついてきて下半身が安定してくると、背筋が伸びて支えがなくてもひとりで座っていられるようになります。
はいはいってどんな状態?
はいはいとは、両手両足で前後に移動することです。はいはいの前に[ずりばい]という腕の力だけで前に進む時期を経てから、両手両足を床につけてはいはいで前後に移動できるようになります。
ただし、はいはいをしない子もいます。
私の娘もそうだったのですが、おすわりで座った姿勢のままお尻で移動する子もいます。
おすわりで移動する赤ちゃんをシャフリングベビーと言います。このシャフリングベビーは、英語の”shuffle”「足を引きずって歩く」に由来しているそうです。
このお尻歩きをするシャフリングベビーの原因は今の医学では解明されていないようですが、発達の個性であると言われています。
私の娘も健診で医師に「シャフリングベビーだね、最近多いんだよ。心配しなくてもそのうち歩き始めるから大丈夫だよ」と言われてホッとしました。
一般的に歩き始めは遅めになりますが、2歳までには歩くと言われています。ちなみに娘の歩き始めは、1歳7か月でした。
はいはいしたり、ぴょんぴょんお尻を浮かせたりお尻を振って移動する赤ちゃんの姿は今しか見られないので、可愛らしい姿を目に焼き付けておきましょうね♪
7〜9ヶ月ころの育児ポイント
離乳食
2回食になる子も多い時期です。離乳食の1回目と2回目は3〜4時間空けた方がいいですね。
食後の母乳は欲しがるだけ飲ませてあげてOKです。
この時期の子育て悩みのトップクラスに上がるのが、離乳食についてです。
離乳食は[食べることって楽しい]と感じることが一番大切ですが、おっぱいが大好きなおっぱい星人は離乳食を食べないことも多いです。
いろいろ悩みもあるかと思いますが、しっかり母乳やミルクを飲んでいておしっこ・うんちが出ていて元気なら大丈夫です。
離乳食についての悩みをまとめた記事もありますので、よかったらご覧くださいね。
ことばと舌・歯のお手入れ|舌の動きがことばにつながっていく
半年を過ぎた頃から歯が生えてきます。それに伴い、次歯と歯茎は上下とも高さが出てきます。
そうすると口の中が広くなり、舌を上手に上下に動かせるようになってきます。
赤ちゃんは離乳食を食べてお口をもぐもぐさせて、舌・顎・唇・顔の筋肉に連動させながら繰り返し繰り返しことばを発する練習を密かに積んでいるんです。
赤ちゃんって努力家なのですね!
そうそう。歯が生えてきたら食後にガーゼを大人の人差し指に包むようにして、葉の付け根から先に向けてそっとこするように拭いてあげましょう。
ゴシゴシこすると歯茎を傷つけたりエナメル質をすり減らしてしまいます。
食後に白湯やお茶を飲むだけでも、効果はあります。
3-5.10ヶ月〜1歳のころ
いよいよ1歳のお誕生日が近づいてきました。ものすごいスピードで成長を遂げている0歳赤ちゃん時代の集大成の時期ですね。
つかまり立ち・伝い歩き
足腰の筋力がついてきて、つかまり立ちや伝い歩きで移動して自分の世界を広げていく時期です。
つかまり立ちとは、家具や壁などにつかまって立つのがつかまり立ち。最初は前のめりで、おっとっと!としながらつま先立ちすることもあります。
伝い歩きとは、つかまり立ちで支えていた手を動かしながら足を横に移動させて歩くのが伝い歩きです。
個人差がありますが、早い子は[あんよ]ができるようになる子もいますね。人生初の[あんよ]は、赤ちゃんにとってものすごい驚きと偉業です!
いつできるようになるかな?楽しみに焦らずに待ってみましょう。
赤ちゃんはまだ近視
お母さんのお腹の中にいるときから能力が備わっていると言われている聴力に比べると、生後しばらくは赤ちゃんの目の機能は不完全。
0ヶ月の頃は辺りがぼんやり白黒に見える程度、1ヶ月くらいから明暗を感じて追視が出来る3.4ヶ月くらいに色が分かるようになってきます。
これでもまだ大人と同じようには見えていないのです。
私たちは普段、目だけではなく脳でも物を見ています。
物を立体的に感じるのは、左右それぞれの眼球に映った像を視神経が伝えて脳で一つの印象にまとめて知覚します。
このような目の機能を、両眼視というのだそうです。生後10ヶ月くらいにはこの両眼視で見るようになると言われていますが、まだ近視の状態です。
赤ちゃんに視力検査をするのは難しいのでこの時期の視力はっきりとはわからないようですが、この時期はおもちゃをつかんだりしながら空間の奥行きを認識して物を立体的に感じるトレーニングの最中です。
10ヶ月〜1歳ころの育児ポイント
赤ちゃんの「こっち見て!」サインを逃さずキャッチしよう
赤ちゃんはつたい歩きをするようになり発見した面白いこと、素敵なことを大好きなお母さんやお父さんに教えてあげたくなり、「あっあっ」と指差しが始まります。
可愛らしい姿ですよね。
赤ちゃんが教えてくれた[面白いこと]を赤ちゃんと[一緒に]見ること・[おんなじ]を共有することは、赤ちゃんの自己肯定感を育んでいきます。
[ことば]の発語へとつながる大切なプロセスです。
複雑な感情が育つ
個人差はありますが、大人の声かけの内容を理解できるようになり自分の意思を持ち、思い通りにならないと泣いたりかんしゃくを起こして表現するようになります。
お母さんの姿が見えなくなると不安になって大泣きしたり、お母さんの後追いをするようになる子もいます。
お母さんがトイレに入ると、トイレの扉の外で大泣きするのはよくある光景ですね。
一日中お母さんにべったりくっついていて、もうすこしは離れて〜…と疲れることもあるかもしれません。
私もこの時期はカンガルーポケットがあれば楽チンなのになあと思ってました。笑
子どもは充分甘えられて安心したら納得していつかは離れていきます。
中途半端に離そう離そうとすると、「ママ、どこかに行っちゃう。どうしよう!」とますます不安になってしまい逆効果です。
この時期は腹をくくって子どもの甘えにできる範囲で応えていきましょう。ずっと抱っこしているのは大変で何もできないので、おんぶがオススメですよ。
お母さんとべったりくっついて体温を感じながら、お母さんの目線でいろんなものが見えて子どもも楽しいようです。
まとめ 子どもの発達段階について
赤ちゃんの成長についてお話ししてきましたが、最後に大切な事をひとつ。
子どもの発達には個人差がありますね。特に0.1歳児の個人差は大きいのです。
例えば10ヶ月で歩く子もいれば、2歳近くになってやっと歩く子もいます。
育児書に載っている発達段階は、あくまでも統計平均の目安です。
育児書に4ヶ月頃から寝返りをすると書いてあると、我が子が7ヶ月で寝返りが出来る気配が無いと不安になりますよね。
その不安な気持ちは親としてとてもよく分かります。うちの子も発達はかなり遅めでしたから。
でも大人になっても寝返りが出来ない人はいませんよね。
子育てのバイブル書と言われている『子どもへのまなざし』著者の児童精神科医佐々木正美先生は、子育てで大切なことは待つこととおっしゃっています。
「そのまんまでいいよ」「いつできるようになるかな?」と楽しみに待てるようになると、子どもも大人も幸せだなあと思うのです。
お子さんの育ちをゆったりとのんびり、いつ芽がでるかなあ?いつお花が咲くかなあ?と見守っていきましょう。
おうち子ども教室♡いちご組
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