こんにちは。看護師のいいだです。
1歳ごろから2歳、歩き出したり動きが活発になってきた時期、お母さんからは「もういたずらばっかり!」そんな嘆きの声をよくお聞きします。
本当に、高価なおもちゃを与えてもすぐに飽きちゃって、日常生活の中にあるものに興味を持ちますね。
ティッシュの箱からティッシュをひたすら出してみる、ゴミ箱をあさる、植木鉢の土をばらまいてみる…
と、動いて、触って、まだまだ口にも物を入れ舐めてみての時代。涙なしでは語れない嘆きや、数々の武勇伝が次々聞こえてきそうです。
けれど、よくみてみるとこの時期の行動は、どれも単なるイタズラ…ではないってことがわかっています。
動けるようになった、ものをつかめるようになった、物事の少し先を考えられるようになってきたと言った、頭と体、そして心を働かせている、発達をして行く上での大切な学びの過程なんです。
今回は、そんな1歳からの赤ちゃんの姿を考えるきっかけに、お母さんのための学びも入れつつ、この時期の育ちにあった、とっても人気のおもちゃ「ポットン落とし」を一緒に作っていきたいと思います。
おかあさんが作ってくれたおもちゃが、大のお気に入りに!そして、育ちもサポートできるなんて!といいことづくめ?になること間違いなしですのでお楽しみに。
まず、お家に余っているものないかな?使えるものないかな?と探すところから始めて見ましょうね!
目次
1. 簡単手作りおもちゃ「ポットン落とし」を作ろう
では早速作っていきたいところですが、皆さんは「ポットン落とし」どんなものを想像されますか?
昔、自分自身も遊んでいたって方、出産祝いでいただいたって方もいるかもしれませんが、「丸や三角、四角の形をした穴に、同じ形の積み木を見つけて、ぽとんって落とすおもちゃ」の、簡単バージョン?と言った感じです。
「あーあれね?」と思ったところで、まずは作っていきますね。
1-1. 材料を揃える
■100均で売っているタッパー(1.5L程度:今回はこの大きさですが、中が見えるもの、赤ちゃんが抱えられる大きさを基準に見つけてください。もちろん家にあって今は使っていないタッパーなどでもできますが、深さが20cm程度はあるほうがいいと思います。)
■ペットボトルのキャップ20個以上(あればあるだけいろんなバージョンが作れます)
■ビニールテープ
■カッターまたはハサミ
■マジック
1-2. ポットン落としの作り方
ハサミや小さなキャップを使いますので、作業は子供がお昼寝中などにさささっとやってしまいましょう。
作るだけなら10分あればできちゃいますよ!ではスタートです。
1-2-1. 穴を開ける印をつける
タッパーの蓋にペットボトルのキャップを置き、マジックで穴をあける印をつける。穴と穴の感覚は、少しあけてください。
1-2-2. 穴を開けてテープで保護する
カッターなどで、マジックに沿って穴を開けます。切り込みを入れたらハサミに変えてもよく切れます。
切り口で怪我をしないように、ビニールテープを1cm大に切って、放射線状に貼り付け 切り口を保護します
1-2-3. ポットンを作る
ペットボトルのキャップ2つをセットにしてビニールテープで巻きます。
次に、この巻いた2個セットを2つ用意し、真ん中を止めて4個で1つのセットにします。(ちょうど赤ちゃんが手でにぎれる大きさです)
これは、あればあるだけ楽しいのでたくさん作ってあげてくださいね。(あれば、キャップの中に小さなすずを入れてもいいです)
キャップが2つのままだと子供の口の中に入ってしまい危険です。必ず4個以上でひとかたまりになるように作ってください。
またテープはしっかり止めて、剥がれていないか確認してください。誤嚥の危険があります。
1-2-4. ポットン落としの完成
容器とポットンができたら、これで完成です!
容器をいろんなサイズで作るのも楽しいですね。周りにシールを貼ったりイラストを描いてお気に入りに完成させてくださいね
1-3. ポットン落としの遊び方
できたよ!と子供の前に持っていきましょう。どんな反応をしたでしょうか?
教室で出して見ると、まずポットンをたくさん持って握る→舐める子。ぽい ぽい っと投げてみる子。箱ごと持ち上げてガシャガシャ振ってみる子。
どの子も自分の気に入った方法で遊び出します。これでも立派なおもちゃになりますね。子供の遊びは無限大!そんな言葉通りの自然な姿です。
そして、少し遊んで飽きた頃、またあまり興味がなさそうな子がいたら、お母さんが穴からポットンを落とす→穴に落ちて「ぽとん」という音がする。といった遊び目の前でしてみましょう。
「???」
大好き名お母さんが何かしているぞ!なんか「ぽとん」って音がした。さっきまであった棒が中に落ちていった!
マジシャンになったかのように注目を浴びるお母さん!
になっていたらいいのですが…笑
①穴の中に半分ほど入れ、まずはお母さんや大人が「トントン」して中に落ちるということを見せる
②子供の手を添えて一緒に「トントン」する
③「ポットンて落ちたね」と音と横や上から見て一緒に確認する
この3つの段階をサポートできたら、あとは指先では落ちるかな?手のひらで押さえて見たら?
と、なるべく子供が一人でできるよう見守り、力が足りない時などは手を添えて、自分でできたという成功体験ができるように見守持ってあげてください。
規制のまるや三角などの型はめと違い、カタチが丸で単純ですので、1歳半ぐらいを過ぎると、だんだんこの穴から落ちるという流れを理解できるようになっていきます。
2. いろんなバージョンで楽しむ
せっかく作ったこのおもちゃ、もちろん遊びかたはたくさんあります。
飽きたなって頃に遊びかたを変えて出してみたり、子供自身が「これはこの穴に入るのかな?」といった実験している姿を、そっと見守ってあげることも大切ですね。
親子教室での子供達の姿から、こんな遊びもあるよ!をご紹介しますので、合わせてご参考になさってくださいね。
2-1. 落とすものを変える
昔懐かしいチェーリングってご存知でしょうか?
子供のころ、ネックレスやブレスレットを作ったことがあるかも!って方もいるかもしれません。
小さなまぁるい輪っかを重ね、長く繋げていくおもちゃです。このチェーリングを20cm以上の長さにつなげて落とすのも楽しいです。
半分ほど入ればあとはジャラジャラと流れるように落ちていくので、先ほどのキャップとはまた違った「穴に入れる」「落とす」と言った手と目と頭どれもをフル回転した遊びになります。
このチェーリングも1つ1つはとても小さいので1つにはしないで連結させて使ってください。
2-2. 大きな箱の「ポットン落とし」
お座りをして、この中に何か入れるのも楽しいけれど、子供の動きをよーく観察していると、立って背伸びしたり、ゴミ箱の中を覗き込んだりもしていますね。
大きなものに物を落としたらどうなるか?
こんな実験にぴったりなのがダンボールです。
オムツか何パックか入っていたダンボール、宅急便のお荷物が入っていたダンボール、どうせなら捨てる前に子供のおもちゃにしてみましょう。
おまけに、ダンボールポットン落としについても作り方をご紹介して見たいと思います。
ダンボールとヤクルトの空容器をご用意ください。
2-2-1. 下面を全て切り取る
ダンボールの底の面を全て切り取ります。ガムテープなどで補強したら強くなりますが、しなくっても大丈夫です。
2-2-2. 上面を固定して穴を開けて完成
ダンボールの上面を、ガムテープなどで閉じ、ヤクルトの容器の底を当て、ヤクルトの容器より1回り大きいサイズに丸を描いて、印をつける。
面積が広いので 大小2つのサイズの穴を開けてもいいですね。
タッパーの時はピッタリのサイズでトントンと叩いて落とす感じの方が面白いのですが、ヤクルト容器は少し大きめの穴にして、手を離したら落ちるぐらいの穴の大きさの方が楽しめます。
ツワモノっ子たちは、脇に何個も抱えて、ぽい ぽいっと連続して落としてカランカランの大合唱を楽しんでくれますよ。笑
2-2-3. ダンボールポットン落としの遊びかた
あっという間にできましたね。今回はダンボールなので中が見えません。落ちたポットンはどうなるのかな??
では早速やってみます。先ほどのタッパーはフタを閉め、椅子の上でもマットの上でもどこでもできたのですが、今回は硬めのゆか(フローリング、廊下)などの上におきます。
ダンボールの大きさにもよりますが、子供が立った時にちょうどお腹の上から胸あたりの高さがあると、穴を上から見ることができるので面白いようですよ。
先ほどのペットボトルキャップやチェーリングも使えますが、今回のオススメは何といっても「ヤクルト容器!」(乳製飲料が入っている軽い容器です)
1パック買ったら5本ほど入っているので、パパとママで飲んでしまってください。空容器が揃ったら落としてみますよー!
「ポットン!」・・・・・・・
「カラン カラン カラン!」あれあれ?また違った音が出ましたね。
今回のポイントはダンボールの下を開けたこと。これによって、床面に直接容器が落ちるので、乾いたカランカランといった音が出ます。
大抵、これをやると小さな子供たちが集まって・・・・
背伸びしたり、押し合いへし合いして小さな穴から真っ暗な穴を覗き込む可愛い姿が見られます。
魔法の箱に見えていること間違いなしですね!
容器がなくなったら「いっせいのーで バァ!」といってダンボールを持ち上げて見ましょう。
またまた「おー!」と声にならない、驚きのリアクション笑
「いないいないバァ」遊びのようにも遊べます。
最後に教室でポットン落としを出した時の子供達の様子、ここでちょっとご紹介します。
上の写真が穴にポットンを落としたところ。そして、下の写真が穴を覗き込む子供達です。
ね、可愛いでしょ。1歳児クラスのお友達の姿です。
つかまり立ちを始めたばかりの子ももうすぐ2歳になる子もみんなが夢中になっちゃいます。
こうやってみてみると、ちゃんと不思議だな。面白いな。と思いながら何度もなんども遊び込めるおもちゃになっていますね。
2-3. 「落とす」から引っ張り出す遊びへ
最後は発想の転換。引き出す遊びです。
最初にお話ししたように、手先が使えるようになってきた赤ちゃんは物を投げる、落とすと同じように、引っ張ることができるようになります。
「手は第2の突き出た脳である」といわれます。
細かな動きはまず手の役割としてある「掴む」「握る」「引く」「押す」といった比較的大きな動きの後に、指先までコントロールできるようになって獲得していく動きです。
まずは手全体を使って、自由にたくさん遊びこませてあげてくださいね。では「ひっぱり遊び」の作り方です。
2-3-1. 「ひっぱり遊び」準備物
■ハンカチ数枚:お家にあるいろんな素材のハンカチ、スカーフを用意してみましょう。これの先を結んで3.4枚つなげます。
■最初に作ったポットン落としの容器を空にして用意する
2-3-2. ハンカチを入れる
繋げたハンカチをタッパーの中に入れて、先っぽを今度は穴の下から少しだけ上に出してみます。
2-3-3. 「ひっぱり遊び」の完成と遊びかた
ちょうど「遊んでください」と子供なら聞こえていそうな「ティッシュの箱」のようになりませんでしたでしょうか??
そうです、これはティッシュ遊び。ティシュをばらまかれては大変!って時はこれを出して、好きなだけ引っ張らせてあげましょう。
5枚もハンカチをつなげたらなかなかの長さになりますね。
引っ張っても引っ張っても抜けない、「おおきなかぶ」のような遊びにムキになる赤ちゃん続出です笑
3.とことん遊んで脳と体、心を育てる
最後に、今回の遊びから得られる力について考えてみます。
手先を使うので「緻巧性(ちこうせい)」、これはどうなっているのか考える「思考力」、遊びが広がる「発展性」、目でみて、考え、色々試して遊びが広がる、たくさんの力。
そう、これは「遊び尽くす体験」ができるおもちゃなんです。
好きなことに熱中できる子供は伸びる! 教育評論家親野智可等さんは言います。
長年教師をしてきた親野先生は、小学校になって「自ら勉強をする子」をずっと観察していると、共通する姿があったということに気づきます。
それは、赤ちゃんの時代に「のびのび、目を輝かせて遊んだ経験」
頭の回転が早い子というのは、生まれ持って出た資質というより、幼少期に「自発的に子供が興味を持つことを、とことんやらせた経験から育つ」と言われています。
このポットン落としは色んな遊びに発展できるのでうってつけです。
小さな未来の科学者たちが、手先を動かし、探求心を持ち、「これはどういう仕組み?」なんて考えている間に、頭の中では神経細胞を結びつける「シナプス」がどんどん増えていきます。
このシナプスも、子供自身が望む刺激や、面白い、楽しいと思って自発的に動いて感じる刺激がある時の方が有意に増えていくことが脳科学の分野でも認められています。
こう考えたら、『遊びは学び』の意味がよーくわかるのではないでしょうか?
一旦いたずらに見える事柄を「これは何を学ぼうとしている姿なのか?」って視点に置き換えてみます。
すると危ないいたずらを避け、「おもちゃになるもの」で代替えし、その興味だけを引き延ばしてあげることができますね。
いろんな遊びができるので「これはどう?」「こうやってごらん」って色々提案してみたくなるかもしれませんが、無理強いしないことも大切です。
ポットン落としだからと言って「ポットン」できなければいけないわけではなく、舐めて食べ物ではないと気づく。振って音がすることを楽しむ、そんな小さな過程の最後が「ポットンできる」です。
子供の繰り返し、その時々の過程は邪魔せずに、とことん遊び尽くすをひたすら繰り返させてあげてください。
4. まとめ
おもちゃ作りっていうと、たくさんの材料用意するんでしょ、工作なんて苦手だからできないわーって思っていたお母さんもいるかもしれませんが、実は少しの材料で簡単にできるものもたくさんあります。
手作りでケーキを作るより簡単にできちゃう、そして子供の大好きがたくさん詰まったおもちゃができる。そう思ったら何だか得した気分になりますね。
「遊びは学び」ってすごくいい言葉だなぁって、思います。
だって買ってきたワークをイライラしながらさせるのではなく、勝手に遊ばせていることが将来の学び、力に繋がるんです。
私はこの言葉に出会って、毎日遊び尽くしている子供を見ても、周りのお母さんが「次は何を習わせよう」なんて言っていてる言葉、毎日今日はピアノ、今日は英語、今日は知育教室…ってスケジュールを見聞きしても振り回されなくなりました。
うちの子だって学んでいるわ。しかも自発的に、時間も制限されずとことん遊んで学んでる!
子育てに正解はないんだけれど、ゆったりとした気持ちで子供と向き合えるようになった魔法の言葉だと思っています。
このおもちゃで小さな目を輝かせ、頭をくるくると回転させていろんなことを考え、学び、楽しむきっかけになったら嬉しいです。
ぜひ長く遊んでくださいね。
おうち子ども教室♡いちご組
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