保育士のaikoです。
1歳のお誕生日おめでとう。
さあ、いよいよ[乳児]と呼ばれる赤ちゃんを卒業し[子ども]の仲間入りです。
お母さんお父さん、ここまでの1年間はいかがでしたか?
もしかしたら泣き止まない赤ちゃんを抱きながら途方にくれたこと、周りの赤ちゃんと比べて心配になり涙したこともあったかもしれません。
それでも赤ちゃんはしっかり育って1歳になりました。
ここまでお父さん、お母さんもがんばりましたね。お疲れさまでした。
お子さんは1歳を過ぎ、ますます表情が豊かになりできることが増えてきました。
個人差はありますが今では小さな物を手でつかむことができるようになり、早い子では「マンマ」「ワンワン」など意味のある言葉を話すようになったり、ひとり歩きを始めている子もいるでしょう。
1歳代の育ちは、0歳赤ちゃん時代とはまた違った親としての悩みや戸惑いが出てくることが多い時期です。
この子育てコラムでは、これから先の成長の見通しやチェックしておきたいポイント・実際のお母さんたちの悩み事例などの情報を交えてお伝えしていきます。
子どもの少し先の「そだち」を頭の片隅に入れて知っておくと、我が子の急な成長の変化にも一喜一憂せずに落ち着いて対応ができることもあります。
子どもは自ら育つ力を持って生まれてきています。
子どもが1歳なら、親も1歳♪
さあ、これから一緒に子どもの育ちをみていきましょう。
目次
1.子供の成長|ことばの育ち
1歳代になってできるようになること。1歳児2大成長ニュースのひとつ目は「ひとり歩き」です。
そしてふたつ目に挙がるのが「ことば(発語)」です。
ことばについてお母さんたちから相談を受けることが多いので、まずはいつから話すようになるかな?と気になる「ことば」についてお話していきます。
1-1.ことばは、いつから?
「マンマ」「ナイナイ」などと意味のあることばを話すようになった子どもと、まだことばらしいことばを話さない子どもとはっきりと分かれてくる時期です。
うちの子まだお話しないんだけど…と心配になっている方もいらっしゃるかもしれませんね。
ここでことばの発達段階についてお話していきます。
1-2.わかるのが先、言えるのはあと
ことばの発達には法則があります。
それはわかるのが先、言えるのはあとということです。
例えば、ワンワン(犬)だとわかっている状態が続いてある日急に『ワンワン』と言えるようになるのです。
□50%の赤ちゃんが「マンマ」のことばの意味がわかるのは9か月頃。→「マンマ」と言えるようになるのは12か月。
□50%の赤ちゃんが「バイバイ」のことばの意味がわかるのは10か月→「バイバイ」と言えるようになるのは1歳4か月。
このような研究結果があり、『わかる』から『言える』ようになるまでは半年くらいかかると言われています。
だいたいの子が30語くらいの意味のあることばを話すようになるのは、1歳半すぎくらいです。
1-3.指さしはことばの前兆
飛行機を見つけた!など何かを発見したときや、自分の欲しいものを取ってもらいたい時など、「指さし」をしながら「あっあっ!」と声を出してコミュニケーションをとろうとする姿がみられるようになってきました。
このような「指さし」をコミュニケーションの道具として使うようになると、だんだん「言葉」が出てくるようになってきます。
1-4.ことばのお悩み相談
ここで、あるママからのお悩み相談が届きましたので見てみましょう。
Q.「指さしばかりで、なかなかことばが出てこないので心配です…。」
ことばが出ないことが心配なのですね。
子どもたちと関わっていると、たくさんの感動の場面を目にします。
つい数日前まで全然ことばを話さなかったのに、ある日突然「マンマ」などとお話をし始めるのです。
一語が出ると、個人差がありますが流れる滝のようにことばがたくさん出てくることが多いです。
子どもはことばを頭の中にたくさんため込んでいて、自分でそのことばを出すタイミングをみているのかなあ?と感じます。
ことばは、指さしをしていればやがて少しずつ出てくるようになるものです。
ここでひとつ、子どもの普段の様子をみてください。
ことばを聞いて理解して行動はとれていますか?
例えば「おでかけしよう!」と言ったら玄関の方に行く。
「ごはんを食べようね」と言ったら食卓のいすに座ろうとするなど、言葉と行動が結びついていますか?
言葉で話せなくても、指さしや声を出して意思疎通ができるのならコミュニケーション力がちゃんと育っています。
ことばの育ちは、子どもの発達の中でも一番個人差が大きいといわれています。
ある日突然急にたくさんお話するようになる子もいますので、2歳頃までに意味のあることばが出てくれば心配はなさそうです。
1-5.ことばを育む関わり方
子どものことばを育むには、生活の中でたくさんのことばや人とのコミュニケーションが不可欠です。
例えば子どもが「ワンワン」と一語文で話したり、「あっあっ」と指さしで伝えてくることがありますね。
そんな時には、「かわいいワンワンだね。」「ワンワンがおさんぽしているねえ」などと、子どもが伝えたい気持ちをていねいにことばで伝えていくようにしてみてください。
そんなふうに大人がことばを使ったコミュニケーションをとって過ごしているうちに、子どもは大人の真似をしてことばを聞いて二語文・三語文とお話できるようになってきます。
この時期の子どものことばは、とても大人が真似できない可愛らしい「ことば」です。
「早くことばを言って欲しい」と話すことばかりに意識を集中しているともったいない!
ぜひ今しか見ることのできない可愛らしい指さし姿や、一生懸命伝えようとするカタコトことば時代をゆっくりと楽しんでみてくださいね。
2.子供の成長過程ガイド
できることがぐんと増えた1歳児のココロ・カラダの育ちのようすをみていきましょう。
2-1.1歳〜1歳3か月
先ほど「1歳代になってできるようになることの1歳児2大成長ニュースのひとつ目は、ひとり歩き」とご紹介しました。
2-1-1.ひとり歩き
同じ年齢でも、ひとりでスタスタと歩く子、伝い歩きでなかなか一歩が出ない子、はいはいやお尻歩きで満足している子と発達の個人差の開きは大きいです。
1歳前後には自我も育つため、ひとりひとり持って生まれた個性や気質によって育ちは様々です。また、やる気や好奇心の現れ方も個性はいろいろです。
怖いもの知らずで活発に動き回タイプの子は歩くのも早いことが多いですし、慎重でおっとりとしたタイプの子は育ちもゆっくりマイペースなことが多いです。
どちらが良いというものではないのです。
大人だって、ひとりひとり興味や個性・気質が違いますよね。
子どもも同じように個性がありますので、「いつ歩くかは、この子が決めるんだな。」とその日を首を長くして楽しみに待つことも子育ての醍醐味かなと思います。
2-1-2.ひとり歩きのころに注意すること!
ここでひとつ、親として注意していきたいポイントをご紹介します。
1歳児は統計で見て、一生の中でもっとも事故の多い年齢です。
中でも歩き始めのこの時期に多いのは、[転倒][転落]です。
歩行がまだ安定していないため、ちょっとした段差にもつまずいて転んでしまいます。
角・挟まれ・危険物に注意!
対策
□テーブルの角やドア、柱など尖った場所はクッションテープなどを貼り、ぶつかった時の衝撃を和らげるようにする。
□ドアや窓に指を挟まれて怪我をするので、開閉時は必ず子どもが居ないか確認する。
□キッチンや洗面所には、なんでも触って口に入れたがる子どもには危険がたくさん。
包丁や薬品、洗剤など危険なものはガードをしたりいての届かないところに置く。
転落事故に注意!
対策
□階段・玄関・ベッド・椅子・ベランダ・窓などは転落事故が多い場所。改めてチェックしましょう。
□窓やベランダの柵の側に置いてある踏み台となる物 ・段ボール箱、クーラーの室外機、植木鉢、ベッド内の布団などをチェックする。
□階段にはガードを付ける。
□浴槽の残り湯や水を張った洗面器でも溺水や溺死する事故が起きている。
浴室には出入りできないよう鍵をかけて、基本的に水は抜くようにする。
夏の水遊びでも、絶対に目を離さない。
2-1-3.ごはん|離乳完了期へ移るチェックポイントは?
1歳のお誕生日のころには上下の前歯が生え揃って、最初の奥歯が顔を出しかけている子もいるかもしれません。
前歯が生えているからといって、まだ奥歯が生え揃うまでは上手にすりつぶして食べることはできません。
離乳完了期に移行するチェックポイントとしては、
□歯茎でしっかり噛んでつぶしているか?
口がモゴモゴと左右に動いていれば、かみつぶしているとわかります。
□丸呑みや、お口に食べ物をため込んだままにしていないか?
お口の中にため込んで、ごっくんと丸呑みをしていると習慣になってしまいます。
まだ食べ物がかたすぎたり、食材が大きいのかもしれません。
上記のチェックポイントがOKなら、そろそろ離乳完了期の食事です。
今までは食べやすいようにひと口大の食べ物を出していましたが、そろそろ大きめの塊を自分の前歯でかみ切る経験をさせていきます。
かみ切る時に自分の前歯や口で硬さや大きさを確認して判断し、どれくらい噛めばいいのかを脳から指令が下ります。この能力が咀嚼能力です。
いつまでもひとくち分をパクッと食べているだけでは、噛む能力は育ちにくいのです。
この時にあまりに大きな塊をお口に入れると喉を詰まらせたりすることもあるので、必ず付き添ってみていきます。
2-2.1歳3か月〜1歳半
1歳のお誕生日から3か月が経ち、できることが日に日に増えてきました。どんな成長が見られるのでしょう?
2-2-1.よちよち歩きバンザイポーズのワケ
よちよち歩きの赤ちゃんが、両手をバンザイしながら歩いている姿を見たことはありませんか?
見ているだけで微笑ましい、可愛らしい姿ですよね。
このバンザイ歩きは歩き始めの赤ちゃんの独特のスタイルで、ハイガードと呼ばれています。
両腕を頭まで上げてバンザイをしているような姿勢です。
赤ちゃんはひとり立ちが出来るようになる約1か月前に、転びそうになったら両腕を前に伸ばすパラシュート反射と呼ばれる動きができるようになります。
人の体の中で強く打ったりぶつけると危険な部分は頭ですよね。このパラシュート反射は、転倒した時に床に手をついて自分で自分の頭を守る反射なのです。
先ほどのバンザイポーズのハイガードは、歩きながらこのパラシュート反射がすぐできるように準備の姿勢なのです。
人の身体の発達は、よくできているのですね。
2-2-2.手先が器用に
この時期の子どもにクレヨンや色鉛筆を持たせてみてください。
個人差はありますが、ぐるぐると円を描きなぐることができるかもしれませんね。
ある動物は、この時期の子ども(1歳3カ月〜1歳半)と同じくらい絵を描くことができます。さて何の動物でしょう?
そう、答えは類人猿のチンパンジーです。
このころの子どもの絵と、チンパンジーの描く絵は同レベルなのです。
ご存知のようにチンパンジーは賢い動物です。
野生のチンパンジーは、木の中にいるアリを釣るために木の棒で「釣り棒」を使って釣ったり、ナッツ割りをするために「石器」を使ったりさまざまな道具を日常的に製作・使用することが知られています。
1歳前半の子どもも、手先の器用さでも負けていません。
低いながらも積み木を積むことができるようになりますし、小さな穴に物を落とすこともできます。
これは簡単なように思えますが、手を離すタイミングや距離感をつかみながら細かい運動のコントロールができなければできない動作なのです。
まとめ
ここまで1歳のお誕生日から1歳半くらいの子どもの主な育ちについてご紹介してきました。
赤ちゃん時代と違って歩けるようになり手先も器用に使えるようになり、ことばも少しずつ出てきてコミュニケーションもとれるようになりました。
まさに世界がぐーんと広がる時期です。
また「自分はこうしたい」という自我が芽生え好奇心もますます旺盛になってきます。
まだまだ小さな子どもの探索活動は、無意識でいると「禁止」「制止」することばかりになりがちです。
「ダメ」「アブナイ!」ばかりで制止していたら、子どもの好奇心・やる気を奪い去ってしまいます。
事故につながる危険なポイントをきちんと抑えた上で、危険のない範囲で子どもがのびのびと探索活動ができるよう見守っていけたらいいですね。
子どもは大人が気づかないような美しいこと、面白いことをたくさん教えてくれます。
水たまりに反射したキラキラした光の存在や、ふうっと吹いたら飛んでしまいそうな小さな小さな可愛いお花の存在。
ぜひ1歳の子どもが教えてくれる世界を、一緒にお散歩をしながら楽しんでくださいね。
おうち子ども教室♡いちご組
関連記事
やなぎ あいこ
最新記事 by やなぎ あいこ (全て見る)
- 大自然の中で感性を磨く!石田勝紀先生と【農業✖️教育1dayイベント】 - 2023年8月27日
- 9月子育て応援サロンココロ - 2023年8月27日
- 一生もの体験しよう!石田勝紀先生監修【農業✖️教育イベント】募集 - 2023年5月8日
- 柏|【子育て応援サロンココロ♪】はじまるよー♪ - 2023年3月1日
- お母さん業は超優秀スキル! - 2021年7月14日