こんにちは。看護師 飯田です。
産婦人科に勤務していると 赤ちゃんが生まれてすぐのお母さんがびっくりされることの一つに「え?赤ちゃんてこんなにウンチするの?」ってことがあります。
赤ちゃんのウンチって、最初はどろっとしていて、しばらく日にちが経つとオムツを開けるたんびといっても過言ではないぐらい日に何度も出てくるかわいいウンチなんです笑
「おっぱいをあげるとウンチが出て その時のスッキリした顔を見てると、子供ってなんて素直なんだろうって思います」そう幸せそうに微笑んでいたお母さんがいました。
そう、おっぱいやミルクの飲み具合とウンチ。この二つは赤ちゃん最大の仕事といっても差し支えのない生きていく根本となっていくものなんですね。
だけど、退院をしてからしばらくするとあれ?最近ウンチがびゅんびゅん出てないな、お腹が張って苦しいそう・・・そんなことが出てくる場合も少なくありません。
1日便が出なかった。これって便秘なのかな? そういえば機嫌が悪い気がする…大人でも辛い便秘。回数が減ったりミルクののみが悪くなると果たしていつまで様子を見たらいいのか心配になってきます。
便秘の中には生まれつきの病気がある場合もありますので、特に赤ちゃんの場合は治療が必要な病気ではないか?を知ることも大切です。
そこで今回は 赤ちゃんの大切なウンチにまつわる「便秘」について、そもそもどんな状態のことを言うのか、また病院に行くのはどんな時かについてと月齢別の原因、そして便秘に対するお手当についてお話ししていきます。
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目次
1.赤ちゃんの便秘ってどんな状態か
「何日出ないと病気」と行った決まりがないのですが、やはり2.3日自然排便がない時は苦しいはず。1日だって機嫌が悪くなっていたら、何らかのお手当をしてあげることがいいので便秘気味と言えますね。
赤ちゃんの様子を見て下記の症状が見られる時は便秘気味と思って何らかの対応をしていきます
・便が刺激をしないと出ない。
・ミルクを飲まない、飲みが悪い
・母乳の吸い付きが悪い
・体重の増えが悪い
・お腹が張っている感じが続く
・ミルクをミルクのたびに吐く
・機嫌が悪い
・血便が出る
2、月齢別に見る便秘の原因
2•3日自然な排便がない時や先ほどの症状が見られる時はまず「なんでこんな状態なのか?」の原因を一個ずつ確かめ、対応が必要になります。
赤ちゃんとひとくくりにしても1ヶ月の赤ちゃん、6ヶ月の赤ちゃん、1歳近くの赤ちゃんと成長の時期によっても原因が違うことがあります。
また赤ちゃんには先天性と行って生まれつきの病気が隠れていることがありますのでそちらも合わせてみていきましょう。
2-1.新生児ごろの便秘の原因
早産で生まれた赤ちゃんや生まれたばかりの赤ちゃんはまだ腸の働きが未熟な場合が多いので便秘傾向の赤ちゃんがいます。
母乳不足、水分不足でも便秘がちになります。授乳回数が減っていないか、授乳前後で体重の増えをみて母乳を飲んでいる量がわかりますので、気になる時は確認しましょう
粉ミルクを与えている場合は、完全母乳の赤ちゃんに比べ、消化に時間を要するため便秘になることもあります。
2-2.生後2.3ヶ月〜離乳食開始前に多い原因
この時期は腸の働きが整いだし、吸収もできるようになり新生児のように毎回便を出すことから1日に1回などに徐々に便の回数が減ってきます。しっかりミルクが飲め、機嫌よく過ごしていたら2・3日でなくても大丈夫なことが多いですが、マッサージをしたり、刺激を与えてリズムを整えるといいでしょう。
また、自分で寝返りをうったりハイハイで動くこともできないので運動量が少なく、腹筋(お腹に力を入れること)や肛門括約筋(便を推したす力)が弱いので便秘傾向になることがあります。
2-3.生後6.7ヶ月 離乳食開始後に多い原因
離乳食はいきなり食べる種類を増やしたり、量をたくさんあげると腸での吸収が追いつかずに便秘になることがあります。
また離乳食を開始する時期が早くても便秘になりやすいので、最近では離乳食開始を消化の観点からもゆっくりスタートを推奨し、5•6ヶ月以降を進めることが多いようです。
便の硬さも 離乳食開始前までは便秘であっても比較的柔らかだったものが、急に硬さが出てきたり、消化せずそのままの形の野菜などが便から出ることがあります。 食べたもの、水分量に影響を受けやすい時期と言えます。
2-4.生まれつきの病気が隠れていることも
赤ちゃんの便秘は奥深く 鎖肛や、ヒルシュスプルング病(神経節細胞が生まれつき途切れていて便を肛門から外に押し出す動きができない病気で、お腹の強い張りや哺乳力低下で気づくこと多い)等生まれつきの病気があり、医師による診断治療が必要なものが隠れていることもあります。
3.お家でのお手当て、便秘の解消法
「うちの子これに当てはまるかも?」そんな原因が見つかりましたか?原因に少しでも思い当たることがあれば まずそれに対しての対応をしてみます。
3-1.母乳の質と水分補給
母乳不足かどうかは、お母さん自身のおっぱいの張りをみたり、母乳の質を確認しましょう。
脂っこいもの、糖質、動物性のタンパク質を多く摂取していると赤ちゃんも便秘がちになります。海藻、野菜の摂取を心がけましょう。おかあさん自身も水分摂取を心がけてくださいね。
3-2.離乳食を見直す
離乳食は食べるからといっていきなり食べる種類を増やしたり、また量をたくさんあげると腸での吸収が追いつかずに便秘になることがあります。離乳食は排泄の程度に合わせ、徐々に固形にしていく、新しい食材は1つづつ試し、消化をみていくことが大切です。
また、「食べる」ことに目が向き、水分が不足していることがあります。マグでおさゆなども飲める頃ですので、しっかり水分を与えてください。母乳でも大丈夫です。
離乳食を開始した以降は果汁を取ることも効果的です。プルーンやリンゴなどの果物を水で3倍ぐらいに薄めたものを20ccほど与えたり、ヨーグルトの摂取も効果があります。果汁は甘味料などが入っていますので市販のものではなく絞ったり擦った物を与えてください。
食材としてはワカメなどの海藻・サツマイモや人参など根菜・納豆など消化しやすく、腸の働きも整える水溶性の食物繊維を多く取りましょう。
3-3.砂糖水やマルツエキスは効く?
昔はお腹をゆるくさせるために砂糖水を飲ませるとうたう育児書がありましたが、現在は推奨されません。砂糖は大人でもそうですが、依存性があり、まだ味覚を育てる段階の赤ちゃんには刺激が強くなりすぎます。
同じ甘味料でも「マルツエキス」は昔から使われている便秘症状を和らげるお薬です。こちらは麦芽糖でできていますので、離乳食開始以降でしたらお白湯で薄めてあげるのもいいでしょう。
3-4.お腹のマッサージや体操をしてみよう
よくわからないけれど、まだお腹の動きが未熟なのかな? 力をかけることが下手なのかもしれない。そんな、赤ちゃん特有の「便秘」にはマッサージでお腹の動きを助けてあげることが有効的です。
赤ちゃんのお腹を「のの字」を描く様にマッサージします。お風呂に入った後の温まった時や、ミルクを飲むの前にしてお腹をスッキリさせてから哺乳できるといいでしょう。
おへその周りにおかあさんの手のひらを当て、少しお腹が凹むぐらいの力をかけます。ののじが、丁度腸の流れと同じ方向になりますので、便がゆっくり腸の中を動き、排便を促すことができます。
また、両足の太ももをお腹にくっつける足こぎ運動も効果的です。自分でまだ歩けない赤ちゃんなので、大人が歩くような姿勢を手助けしてとることで、腸の動きを促します。
マッサージをする時は赤ちゃんの呼吸に合わせて「マッサージ マッサージ 〇〇ちゃんのうんちでろでろ〜♪」そんな魔法の言葉をかけてあげてくださいね。おかあさんが必死で怖い顔でお腹を押すと赤ちゃんも構えて怖がってしまいますよ。
おかあさんの手を温めたり、植物性のオイルを使ってマッサージするとなめらかで赤ちゃんも心地よいですし、よりマッサージの効果が得られます。
3-5.綿棒刺激でスッキリ出しきろう♪
先ほどのマッサージと一緒に綿棒刺激をやるといいでしょう。力をかけることが難しかったり、腸の働きがうまく行かない時は肛門のすぐそこで便が溜まっていることが多いです。
そんな時は肛門の出口を少し刺激してあげるとガスとともにうんちがたくさん出てきます。
綿棒刺激をクセになるからと敬遠される方がいますが、赤ちゃん時代だけのもので、決してクセにはなりません。立っちができると縦に怒責(きばる力)ができるので力をかけていきむことができるようになります。大体9ヶ月頃までの排便を助ける手段になります。
赤ちゃんには有効なお助け手段ですので小さなうちは「楽になる」方を優先させてあげてください。
3−5−1.用意するもの
綿棒(大人用の綿棒の先を少ししごいて柔らかくしたもの)
オイル(ベビーマッサージ用の植物性オイル)
オムツ
3−5−2.綿棒刺激の仕方
①綿棒の先から2センチのところにマジックで印をつけます。
②左手で赤ちゃんの両足首を持ちお尻を持ち上げます。
③綿棒の先ににオイルをたっぷりつけ、肛門から中に1.2cmゆっくり挿入します。
これだけで便が出るときもありますが、しっかり出し切りたい時は11.2分この状態で綿棒をくるくる回してみましょう。肛門近くの押し出す力を刺激して便が出てきます。
2cmを怖がられる方がいますが大丈夫。逆にツンツン肛門を押すだけではでません。肛門から中に入ってすぐのところで止まっっていることが多いのでこの辺りをしっかり刺激してください。
できそうならこの時左手で支えていた足をそっとおろし、お腹をゆっくりのの字にマッサージするとより効果的です。
3−5−3.綿棒刺激の注意点
綿棒は赤ちゃん用を使うと細すぎて刺激ができなかったり、かえって腸の粘膜を傷つけることがありますので 大人用の普通の綿棒を少しほぐして使ってあげることの方が向いています。
万が一折れたら?と言われることがありますが、大暴れしているのに無理に入れたりしない限り折れることはまずありません。(もちろん万が一折れて中に残っても排便とともに出てきます。万が一が怖い時はお昼間、何かあったら病院へ行ける時間帯にしてあげるといいですね。)
3-6.浣腸やお薬はまず病院で相談してから
市販でも浣腸やお薬が売っていますが、必要な量や回数は個人差がありますので、医師と相談してからに使い初めてください
たかが便秘と思わず、できることはして見て 赤ちゃんの体調を機嫌やミルクののみなどを全体的に見ても「やはり何か違う」という第六感が働いたら病院で見てもらいましょう。
いつから便が出ていないのか、またどんな便なのかや最近の哺乳状態、全身状態(機嫌はどうか、体重の増加はどうか)などをメモしておくといいでしょう。
4.まとめ
赤ちゃんの便秘には大人と違って、生まれつきの病気が隠れている場合があります。様子をしっかり観察して、気になる時は病院で確認してもらってください。
お家でのお手当は赤ちゃんが摂取している母乳の量や質の見直し、水分量の確認が必要です。
また離乳食が始まった際には離乳食を進めるスピードや内容もその子に合わせることが大切ですね。
立っちができたるようになったら縦に気張ることができるので便も自力で出しやすくなります。それまでは綿棒での刺激も効果的ですので怖がらずにやってみてください。
お腹のマッサージはお歌を歌いながら楽しくがオススメです♪皆様の赤ちゃんがよく食べよく出し?健康に育ちますように⭐︎
おうち子ども教室♡いちご組
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