こんにちは。看護師 飯田です。
次の子の妊娠希望をされてる方や、春先になると保育園や幼稚園入園を前に…などの理由で、そろそろ卒乳を考えてもいいかなぁ、と思われるお母さんもたくさんいるようです。
おっぱいの終わりはできるだけ「赤ちゃん」主体で。そんなお話しは前回にしました。→ 卒乳の時期はいつ?断乳•言い聞かせ卒乳•自然卒乳とは
自然卒乳が理想的♪ でも私は個人的に「こうでなければならない」は子育で一番疲れることなので、そんなことで疲れるぐらいなら、お母さんの気持ちにも寄り添って、お互いがいいところで妥協もありかなぁなんて思っています。
だから言い聞かせ卒乳もアリ派です笑
そんな派があるのかどうなのかは?ですが、今回は「お互いが納得いく卒乳の方法」について、まず赤ちゃんの準備からお話ししていきたいと思います。
目次
1、赤ちゃんの発達から考える卒乳時期
お母さんの気持ちにも寄り添いつつ、できるだけ自然卒乳に向いて行くには 赤ちゃん自身がある程度の心と体の準備が必要になります。どんなところを見て行ったらいいのでしょうか?考えていきましょう。
1.食べ物へ関心がある
おっぱいが大好きで、離乳食をあまり食べない子でも、お昼間、お外でたくさん遊んだ後は食べるよって子、「マンマ」など言葉が出たり食べ物に関心が出てきたら 授乳回数も少しづつ減っていきますね。量は個人差があるので、最低限 食べ物への関心があるかどうかを見てみましょう。
2.臼歯が生えている
赤ちゃんに最初に生えてくる歯は前の歯(乳中切歯)ですね。生後6ヶ月頃に生えてくる赤ちゃんが多いのですが、これはものを噛み切る働きをします。
しばらくするとまた一本づつ歯が生え、「臼歯」という奥の歯が生えてきます。これが生えてくると赤ちゃんはものをすりつぶすことができます。目安として1歳半ごろにはだいたいの赤ちゃんに臼歯が生えますので、食べ物で栄養を取っても、それをしっかり噛み砕いて消化することができます。
3.大人の言っている意味を理解できる
卒乳するっていうことは、赤ちゃんにも理解してもらう力が必要です。このためには普段から一人のヒトとして向き合い、きちんと「お話し」をしましょう。お母さんのおっぱいの時間はなくなって行くけれど、お母さんはあなたのことが変わらず大好きだよ。いつでも帰ってきてくれていいんだよ。このメッセージが伝わらなければなりません。
4.季節は春か秋
卒乳は上のような条件を満たすことを考えると だいたい1歳半ぐらいにはなるのかな?と思います。でも、大好きなおっぱいからバイバイするのですから、いくら体の準備が整ってきても、気持ちがついてこなければうまくいきません。
赤ちゃんにしっかりお腹をすかせて「食べ物」を食べてもらう。お腹をすかせるためにしっかり遊ぶ。この2つを考えると真夏や真冬で 外に出るだけでも一苦労な時期よりも、選べるなら春や秋など、気候がよく 子どもも外で目一杯お腹が空くまで遊び込める時期の方が向いています。
2.卒乳に向けての進め方
先ほどの項目で、どれも満たしていてそろそろ行けそうだなぁと思ったら、準備を始めます。いきなりのバイバイは「断乳」になりますよ。
きちんと話しあって赤ちゃんなりに理解してもらうことが卒乳までの大切な行程です。やり方は色々あるでしょうが、今回は病院などでお話しして「うまくいきました♡」とよく報告をいただく方法をご紹介していきたいと思います
1.卒乳の日を決める
赤ちゃんの心の準備のために、できたら1ヶ月ぐらい前からスタートします。どれだけ準備をしても泣いちゃう赤ちゃんがほとんどですので、できたら金曜や土曜、1日でも2日でも誰か手伝ってくれる人がいる時にした方がいいでしょう。
この時、人手がいるからとおばあちゃんの家に行った時や お盆、お正月など行事ごとの時、親戚がたくさん集まる日等を卒乳予定の日にはしないでください。
あくまでも「日常」の場所、人でスタートすることで赤ちゃんの混乱、負担を減らします。
2.カレンダーにマークを入れる
よく目に入る場所にカレンダーを置き、子供の好きなキャラクターや♡、☆などマークを入れます。「今日はこの日、後30日ねんねしたらおっぱいバイバイする日だよ」「このマークがおっぱいにあったらおしまいなのよ」これを 毎日毎日カレンダーで確かめ、お話しします。
3.語りかける
カレンダーと同時におっぱいの時にお話しをたくさんします。
「○○ちゃんはおっぱい大好きね。でもマンマも美味しいのよ。お兄ちゃんになってきて、もっと大きくなったら みんなおっぱいとバイバイするのよ」「おっぱいとバイバイしても○○ちゃんのことはずっとずっと大好きだから 大丈夫よ」
この繰り返しです。おっぱいのバイバイがお母さんとのバイバイではないことを繰り返しお話しするのです。
4.お母さんのおっぱいの準備
1週間ほど前になったら、お母さんの食事量を減らします。同じように食べ続けたらお母さん一気に太ってしまいます。笑 今の食事はおっぱいを作るためのカロリー摂取になっていますので、徐々に減らしていきましょう。
5.お別れの儀式
カレンダーに貼った「おっぱいバイバイの印」となるマークをみせて、「これがおっぱいにあったらおしまいよ」そう言い聞かせます。 おっぱい最後の時は「たくさん飲んだね。ありがとう。もう○○マークが出ちゃうからこれでおしまいね。でも大丈夫よ。これからもずっと大好きだよ」と満足するまで飲ませ、飲み終わったらマークを書いた絆創こうなどをおっぱいに貼ります。服をかぶせもう一度ぎゅー♡とハグを。
書いているだけで、我が子の卒乳の日を思い出し泣きそうになってしまいましたが、でも今日までよく頑張った!親子で一緒におっぱいに感謝しお別れしましょう。
3.卒乳後のケア
「これで最後」そう言ったものの、またしばらくしたら「おっぱい」とやって来る子どもを前にお母さんの心は揺れます。
でもここでお母さんも気持ちが揺れることを感じると 赤ちゃんも動揺してしまいます。卒業してからの赤ちゃんとの過ごし方も一緒に考えていきたいと思います。
1.おっぱいを求めてきたら
基本的に次のおっぱいはありません「さっきバイバイしたでしょ」そうお話ししておっぱいに貼った絆創膏を見せましょう。代わりに大好きなコップを見つけて、これにお茶を入れてあげるね。と違う飲み物を与えたり、「お散歩に行こうか」など、気分転換を促します。
おっぱいを忘れる環境を作ることが大切です。外で思いっきり遊ばせる。お腹いっぱいになるように、大好きなご飯を作る。おっぱいの代わりに服の上から 抱っこはたくさんしてあげてください。
2.お風呂はお父さんにお願い
きちんと理解してバイバイができた子は 数日でおっぱいがあっても「もう自分の飲み物ではない」と理解します。
ただ、おっぱいバイバイしたての赤ちゃんにおっぱいを見せるのは残酷です。卒乳した日、そして赤ちゃんが落ちつく数日はできたらお母さんと一緒のお風呂は避けましょう。
誰もお手伝いが頼めない時は「ママのおっぱいナイナイしちゃったから 今日は一緒にお風呂は入れないんだ」そう言って、湯船の外から赤ちゃんだけお風呂に入れてあげたり、タンクトップなどのまま湯船に入って赤ちゃんの心を刺激しないようにします。
3.卒乳後の夜泣き
当日が一番大変かもしれませんが、「さっきバイバイしたからおっぱいはもうないよ。その代わりねんねできるまでトントンしてあげるからね。」と代わりの方法を教えたり、お父さんと交代で寝るまで抱っこをします。
寝るという行為はとても無防備なことなので、赤ちゃんは本能的に守ってくれる人を求めると言われます。2.3日は寝る時がいちばん大変かもしれませんが、変わらない態度で「そばにいるから大丈夫」ということを伝えてあげてください
4.やり直しもあり
こんな感じで赤ちゃんは卒乳を終えていきますが、中にはやっぱり早かった。っていう方も居てます。それはそれで大丈夫。赤ちゃんがまだその時期でなかったというだけです。
仕切り直しが必要な場合
・4.5日経っても食事量が増えない。グズグズが続き元気がない。
・おっぱいを求め服をむしり取ろうとしたり、大泣きが続く
などがあげられます。できるのならまた数ヶ月経ってから仕切り直しもありです。その間に今度は自然卒乳してしまったという方もたくさんいますので この子は自立ができなかった。と落ち込まず、親子でまた話しあってその時が来る「時期」を待ってあげてください
4.保育園入所と卒乳
言い聞かせ卒乳をする理由は様々でしょうが、最後にこれだけはちょっと待って!とおねがいしたい時があります。保育園の入所の時です。
生後10ヶ月ごろで、「春から保育園に行くのでやめたいです」ってお母さんがいます。赤ちゃんはこれまでほぼ24時間ずっと一緒に過ごしたお母さんと、お昼の間 何時間も離れて過ごすことになります。「おかあさんはどこに行ったんだろう」「もうお母さんはいないのかも。もう2度と会えないのかも」
心の拠り所である「お母さん」の不在は 赤ちゃんの心を大きな不安の渦に巻き込んでいきます。
それでなくても「寂しい」時間できた赤ちゃんに、ここはお母さんも寄り添って「できるだけおっぱいを続けてあげよう」と、「できる方法」を考えてあげて欲しいのです。最後にやり方の一例をご紹介します。
保育園の先生に迷惑をかけるなんてことも考えなくて大丈夫。保育園はそれが仕事です。お昼間はきちんとごはんを食べさせてくれたり、お茶を飲ませてくれます。
「保育園に慣れるまでは安心基地で居たいです。できるところまで、できる方法でおっぱいをあげます。協力してください!」と堂々と宣言してください♡
保育園ママのおっぱい方法
1.朝、寝起きとともにまずいっぱい
2.保育園に行く前、お家を出る前にいっぱい
3.保育園では離乳食や補助食としておやつも出るので、それで過ごしてもらって…
4.お迎えに行ってまずいっぱい(慣れてきたらお家に帰ってからのいっぱい)
5.お風呂の後のいっぱい(慣れてきたらネンネの前のいっぱい)
6.夜中、起きてきたらや夜泣きの時のいっぱい
こんな感じです。朝と夕方、そして夜中 大きくこの柱で赤ちゃんの「お母さんのおっぱい大好き!」の気持ちをまず満たしてあげるのです。
そもそもお昼間に飲む回数が減っているので おっぱいの時間は水分が欲しい、お腹が空いたというより「お母さん自身」を求めていることを感じてあげてください。
数ヶ月して保育園に慣れ、保育園自体に行くことを不安にならなくなってから 本当の卒乳に向かってください。この時には赤ちゃんも満足のおっぱいバイバイができます♡ あと少し頑張ってくださいね!
5.まとめ
赤ちゃんのおっぱい卒業の日、うまくいきそうでしたか?
言い聞かせ卒乳は赤ちゃんとしっかり向き合い、「しっかり理解できているか、体も育っているか」という『心と体』どちらの成長も見た上で決めなくてはいけません。
「何言ってもわからないでしょ。」は違います。何言ってもわからない時はまだまだおっぱいをあげなくてはいけない時期なのです。赤ちゃんなりにお母さんの言葉を信じ、理解できないと心に大きな悲しみを残してしまうことになります。
一概に2歳になったからやめるではなく、各ご家庭のご事情に合わせて卒乳の日を決めてあげてくださいね。準備や周りの助けも大切ですので理解を求めましょう。
時間をかけ、親子で納得のさよならの日を迎えられるよう陰ながら応援しています‼︎
おうち子ども教室♡いちご組
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