こんにちは。飯田です。
赤ちゃんが生まれ1ヶ月。検診で元気な事を確認してもらうと「じゃあ来月から予防接種を。」と、予防接種スケジュールなどのお話を聞かれた方がいたのではないでしょうか。
「予防接種?」「何からしたらいいの?」「赤ちゃんに注射するのはかわいそう」「そんな病気聞いたことないけど受けないとダメなの?」お母さんの子育て最初のドキドキ場面です。
大切な赤ちゃんを守りたい。健康に育てたい。が親心。そのためにはお母さん自身が「予防接種」について理解した上で接種しなくてはいけないんだと思います。
予防接種にはポツポツ四角いハンコで接種するBCGや大人でも毎年受ける人がいるインフルエンザ予防接種など とてもたくさんの種類があります。
少し難しいのですが予防接種は実は大きく「定期予防接種」「任意予防接種」の2種類に分かれていて1ヶ月検診で「予防接種のスケジュール組んでね」と言われたのは大体「定期予防接種」のことなんです。
そこで今回は はじめましてさんでもよく分かるように、予防接種ってなぁに?から順にお話し、お母さんが予防接種について考えるきっかけにしていきたいと思います。
目次
1.予防接種って何?予防接種法を説明
日本には予防接種法という法律があります。この中で予防接種は「疾病に対して免疫の効果を得させるため、疾病の予防に有効であることが確認されているワクチンを、人体に注射し、又は接種すること」とさだめられています。(予防接種法2条1項)
赤ちゃんは生まれた瞬間から外の空気に触れます。外の世界にはウィルスも細菌も存在しています。赤ちゃんは抵抗力が弱いですし お母さんからもらった免疫機能も生後半年ぐらいまでにで弱まっていきます。
この法律を言い直すと 病気に対する免疫をつけ 感染症を予防したり、かかっても症状を軽くしたり、又 人から人へ移って集団発生による大流行の被害を出さないための手段としてあるのが「予防接種」と言えます。
「予防接種を受けることで防げる病気があるということ、またかかっても重症化を防げるということ」や「社会の中で生活する一員として周りに感染を広げないこと」 大きくこの2つの目的のために予防接種があります。
2.定期予防接種って何のこと?
予防接種には接種することが進められる「定期接種」と個人の家庭環境、生活環境などに合わせて各個人の意思で接種できる「任意接種」(インフルエンザの予防接種など)があります。
まず今回は「定期予防接種」についての意味と種類など詳しく見ていきたいと思います。
2-1.定期予防接種の意味と義務
「定期予防接種」は予防接種法によって国や自治体が進めている予防接種です。子どもの保護者は「受けるように努めなければならない」とされています。 これは予防接種以外に有効な予防方法や治療方法がなく、感染力も強いものだからです。
自治体によって違いますが 赤ちゃんの場合 母子手帳をもらうと同時に予防接種手帳をもらうことが多いと思います。この中で予定されている予防接種が「定期予防接種」なのです。
2-2.定期予防接種の種類
四種混合(ジフテリア、百日ぜき、破傷風、ポリオ)、BCG、MR(麻疹・風疹)、ヒブ感染症、小児肺炎球菌 日本脳炎 などが挙げられます。
予防接種名とこれにより防げる病気、そして病気の説明や注意点を表にまとめてみましたのでご覧ください。
予防接種名 | 防げる病気 | 病気の説明、注意点 |
MR(麻疹・風疹ワクチン) | 麻疹(M:はしか) | 妊娠中にかかると流産になる恐れがある |
風疹(R:三日はしか) | 妊娠初期の感染で先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれることがある
予防接種を受けていないと重症化することがある |
|
四種混合(DPT-IPV)
二種混合(DT) |
ジフテリア(D) | ワクチン普及で患者は激減しているが1990年代旧ソビエトで爆発的に患者が増えたことがある。トキソイドという菌の感染で重症化すると死亡することもある。 11歳で追加接種する。 |
百日ぜき(P) | 乳児にかかりやすくかかると重症化しやすい | |
破傷風(T) | 土の中にいて傷口から入る。11歳で追加接種 | |
ポリオ(IPV) | 「小児マヒ」の予防。日本での自然感染はほぼないが、海外からの持ち込み感染の危険がある。2012年より不活化ワクチンに切り替わった。 | |
BCG | 結核 | スタンプ接種 |
日本脳炎 | 日本脳炎 | 過去に予防接種後脳炎の副反応が見られたケースがあり一時接種の見合わせがあったが、現在は新しい細胞培養ワクチンに変わっており、主に3歳以降に接種する。 |
B型肝炎ワクチン | B型肝炎、肝がん | H28.4.1産まれ以降の乳児対象にH28.10から定期接種に追加。将来の肝臓ガン予防。 |
ヒブ(インフルエンザ菌b型)注1 | 細菌性髄膜炎、肺炎など重症な感染症 | 乳幼児の細菌性髄膜炎の半分以上は、ヒブが原因と言われている。 |
小児肺炎球菌ワクチン | 細菌性髄膜炎、菌血症など | 子供の抵抗力が落ちた時に細菌性髄膜炎などの肺炎球菌感染症を引き起こす。現在は13種類の肺炎球菌に対応するワクチンが含まれている。 |
注1:この「インフルエンザ菌」とは『細菌』のことで冬に流行する「季節性インフルエンザウィルス」とは全く違う菌です
2-3.定期予防接種の費用
接種に適した月齢の期間が決められており 期間内であれば公費で負担されるので無料で接種できます。(自治体によっては一部有料の場合があります。ご確認ください)
接種可能時期が過ぎると任意予防接種として自費で受けることになります。
2-4、副反応に対する健康被害救済制度
大体は軽い発熱や接種部位の腫れなどの副反応で終わるのですが、稀に因果関係が不明なものも含め、重い呼吸障害や神経症状、死亡例がみられるものもあります。
そういう情報を聞くと本当に受けていいのか?必要なのか?というところが一番の心配になりますが、そこはやはり医師にしっかり確認をして、何を接種するのか、なぜ必要なのかを理解していかなければいけないということになるのだと思います。
重篤な副反応に対し、厚生労働省が「健康被害救済制度」を設けています。定期予防接種は予防接種法によって万が一の健康被害で死亡した際に約4000万円支払われることになっています。(H28現在)
これは子どものインフルエンザ予防接種などの任意予防接種との差が大きく、任意予防接種は死亡補償が約700万円なのでより実に6倍も多く補償を受けられるようになっています。(詳しくは厚生労働省HPへ)
自分自身の病気の予防だけでなく、社会全体を考え、新たな感染を広げないという意味を持つのが「定期予防接種」であり、だからこそ接種が推奨され、手厚い救済処置が受けられるのだと言えます。
3.まとめ。予防接種の意味を考え予防接種を受けよう
1ヶ月検診で「予防接種を受けましょう」と言われたもののほとんどが「定期接種」のことで、病気にかからない為、集団生活をしていく上で社会全体を考え、病気を広げないという予防法としてあるということがわかりました。
予防接種の副反応を心配される声も聞きます。副反応は受けてみないと出るか出ないか、またその程度もわからないといった怖さがあります。
ただ 最近では麻疹が流行り、抗体を持たないまま大人になった20~30代が妊娠・出産を迎え多年齢になった時に麻疹にかかり流産になってしまうケースがニュースで流れました。
風疹の抗体が低く妊娠初期に風疹にかかってしまい、生まれて来た赤ちゃんに先天性風疹症候群(難聴など)の障害が出るなどが社会問題にもなっています。
「あの時受けさせておけばよかった。受けとけばよかった。」病院で勤務しているとこう悲しまれる家族にたくさん出会います。
「私は大丈夫」「日本では最近ほとんど発症していないですよね」そう言われることもありますが、今後海外から持ち込むこともありますし、一緒に電車に乗り合わせた人が何らかのウィルスを保因して知らない間にかかってしまうことも十分考えられます。
妊娠を考えている人はぜひご自分の接種歴、病気にかかった記録を確認して必要な予防接種、追加接種をお勧めします。
お子さんの場合はそれぞれのご家庭でこの子の少し先の姿、そして成人してからの姿を思いながら 接種するのか 時期を見るのか 計画を立てて接種していくことがいいのかなと思います。
インフルエンザワクチンなど「任意予防接種」と言われるもの、予防接種のスケジュールについてはまた別記事でご説明していきますね。
迷われている時、聞いておきたいことがある時はかかりつけ医を持ち、納得されるまでご相談されることをお勧めします。
(参考 厚生労働省HP)
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