こんにちは。看護師の飯田です。
赤ちゃんや小さなお子さんのお母さんが「風邪かな?」と思った時の症状で、よく見られるのが「咳」と「鼻水」だと思います。
熱が出る前、出た後でもいつまでも長引く「鼻水」。最近では花粉症の子もいます。
また、お熱がなくってもちょっと気温差があるだけや、乾燥した空気に触れるだけでも鼻が詰まったり、鼻水がタラーット流れたりしますね。
鼻水が続くと、機嫌が悪くなったり、眠りが浅くなったり、ふがふがしておっぱいの飲みにも影響を与えることがあるのでお母さんも心配になるのだと思います。
今回は、赤ちゃんや小さなお子さんによくある症状「鼻水・鼻づまり」の原因や対処方法、そして普段から元気いっぱいに過ごせるお家での工夫について考えていきたいと思います。
目次
1.透明鼻水と黄色鼻水の違い
鼻水ってサラサラして垂れるような鼻水もあれば、黄色かったり青っぽくってどろっとしたものまで色々ありますね。
「風邪の治りかけは青ばな(青っぱな)が出る」っていう迷信?のようなものも聞いたことがありますが本当でしょうか?鼻水の違いを見て見ましょう。
1-1.サラサラ透明鼻水
お熱もないのに鼻水が。って時に多いのがこちらの鼻水。空気が乾燥した冬の朝、または花粉が飛び出した春先に多い透明な鼻水です。
鼻水はそもそも悪いもの(ウィルスなど)を出そうとする働きで出る分泌液です。でてきた鼻水を拭き取ってあげたり、鼻をかむことで対応します。
ただ、透明だけれど粘稠なものはウィルス感染しているかもしれません。ただウィルスには抗生剤が効きませんので、自然に治るのを待つしかありません。そのため数日から1週間ほど出続ける事があります。
1-2. ドロドロ黄色鼻水
こちらは風邪症状とともによく見られます。黄色っぽかったり青みがかかったような色とともに、少し臭みもあります。
この臭みや色、ドロドロネバネバの正体は「細菌感染」が考えられます。ほおっておくと膿が溜まって「蓄膿症」や「中耳炎」を起こすことがあります。
人間には「自然治癒力」があるので、きちんと出してあげることや生活習慣の見直し(お家でゆっくり過ごす、しっかり食べてしっかり寝るなど)で治ることもあります。
ただ、抵抗力の低い赤ちゃんや小さな子はそのまま熱を出したり、鼻が詰まって口呼吸になることで喉を痛めたり、咳が出たりと悪化してしまうこともあり、早めの対処、早めの治療が必要です。
最初にお話しした「青っぱなは治りかけ。というのはちょっと違いますね。
ただ細菌の感染でしたらウィルスと違い、抗生剤が効く事が多いので病院でお薬をいただいたら、水っぱなよりも早く治る事があります。
2.鼻水・鼻づまりの時の解消法
では、汚い鼻水が出たり、鼻づまりが出ないよう普段から心がけること、そして早めの対処としてできることは何か見てみましょう。
2-1. お部屋の加湿で環境の見直しを
鼻が出る、鼻づまりが怒るときは湿度が下がっていることがあります。鼻呼吸から口呼吸になり、喉も痛くなってしまうことがありますね。こんなときはお部屋の湿度を60%前後に保ちましょう。
2-1-1. 加湿器
加湿と聞いて思い浮かぶものは、これが一般的でしょうか?
冬にみなさんが怖がるインフルエンザを始め、「ウィルス」は湿度に弱いという性質があります。湿度が50%を超えると死滅していくと言われますので、ウィルスを撃退していくという意味でも、非常に有効な手段だといえますね。
今は機能もたくさんついていて、湿度を一定に保てるものもあります。家族全員で長く使えるものなので、特に子育てが始まったらといいものを買ってもいいのかなと思います。
出産祝いにお友達からいただいたってお母さんもいましたので、「なんでもいってね」と言われたらお願いするのもアリですね。
2-1-2. 洗濯物などあるもので加湿
色々機器は売っていますが、手っ取り早いのが「お洗濯加湿」「ポットのお湯加湿」でしょうか。
お湯を沸かした後ポットの蓋を開けて置いたり、バスタオルやお洗濯ものを部屋干しすることで部屋の中の湿度が上がります。
生乾きの物を置いておくのではなく、きちんとお洗濯したタオルなどを広げて加湿がわりに乾かしましょう。
ポットのお湯はもちろん倒れては大変危険ですので、部屋の隅っこ、倒れても子供にかからない場所に置く事が絶対条件になりますので、広いリビングなどで湿度をあげるのは厳しいのかなと思います。
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2-2. 鼻づまりの対処法
乾燥している時期は特にお部屋のお掃除も見直してみましょう。
お部屋は綺麗になっていますか?
乾燥していることで埃が舞い、室内で過ごす赤ちゃんが吸い込むことになってしまいますので、換気やお掃除をこまめにしていきましょう。
また、お鼻の入り口や中で詰まってしまった鼻水や鼻くそ。これを取りたいときは蒸しタオルをお顔に当てて湿度を急速に上げることも高価的です。
わざわざ蒸しタオルを作らなくっても、お風呂の入浴後でもいいですね。赤ちゃん綿棒の先っぽをお水などで少し湿らせ、入り口をお掃除してください。
鼻血のところでお話ししたのですが(→子供の「鼻血」の止め方は?これでママも安心・大丈夫♪)鼻の粘膜は薄いですし、キーゼルバッハといってお鼻のお部屋を分けている壁には毛細血管があり傷つけやすい場所があります。
ベビー綿棒の先を水に湿らせたりオイルをつけて、傷つけないように小鼻の外側に沿ってお掃除してあげてください。
ベビーオイルは潤滑油がわりにもなりますし、固まった鼻くそを取りやすくなるのでオススメです。
ティッシュでこよりを作って鼻の入り口を刺激するとくしゃみが出ます。くしゃみと一緒に溜まっていた鼻水が出てくるので、綿棒をいやがるとき、サラサラの鼻水が続くときはお試しください。
3.鼻水の吸い方・鼻のかみ方
お顔を真正面から見てみましょう。鼻の高さとお耳の高さって、実はほとんど高さが一緒なんです。
鼻の中を見ていくと鼻と耳は耳管でつながっていますし、大人より子供はこの高さが水平になっていることが多いと言われ、鼻の奥に溜まった鼻水が耳の方に流れ込んで「中耳炎」を起こすことがあります。
赤ちゃんの不機嫌な泣き声、鼻が詰まって上手におっぱいを吸えない姿や哺乳力の低下を見ると、なんとかしてあげたくなりますね。
取り除く、または本人に鼻をかんでもらわなければならないのですがなかなか上手くいかないって声もよく聞きますのでどんな方法があるか一緒に考えていきましょう。
3-1. 鼻水の吸引のやり方
赤ちゃんは鼻水を自分で出すことはできませんし、少し大きくなっても大体の子が、「ズーズー」と鼻水を吸い込んでしまいます。
これでは鼻の奥に汚い鼻水が溜まったり、中耳炎になってしまうので、お手伝いをして、外に出してあげることが大切になってきます。
3-1-1. お母さんが口で吸い取る
お母さんのお口を鼻に当て直接吸い取り、出てきた鼻水を吐き出す方法です。
吸い出す圧を調整しやすく、また子供は器械や異物を入れられる怖さが減るので吸い取りやすいとも言われます。
水鼻程度でしたらいいのですが、汚い鼻水は先ほどお話ししたように、「細菌などに感染しているかもしれない鼻水をお母さんのお口に入れる」という行為になるので、お勧めはしません。
吸い取ったら吐き出すとはいえ、鼻水に含まれている細菌などでお母さんが感染することがありますので避けてください。
3-1-2.鼻水吸引器
■商品名:丹平製薬「ママ鼻水トッテ」 価格 980円(税抜)
お家で吸い取りやすいのは、図のような簡易式の鼻水吸引器で、薬局やベビー用品のお店で購入できます。
チューブの先を赤ちゃんに入れ、反対側のチューブの先をお母さんが口でくわえて吸い上げます。他にも、簡単なスポイドタイプもあります。
これらは、こわがってしまうこともあるので、しっかりお話しをして「すぐに終わること」「吸い取ったらスッキリすること」をお話ししします。
普段元気な時に、お人形などを使って吸引器に興味を持たせることもいいかもしれませんね。
「お人形のねねちゃん、お風邪ですねーお鼻を吸いましょう」
このように、お人形を使って「鼻水を吸い取るときはこうやってする」ということを子供自身が知っていると、いざっていう時に使えますよ。
使用した鼻吸い器はチューブの中まで水を通し、よく乾燥させてください。
そして、終わった後はお母さんもしっかり手洗いし、口のすすぎやうがいをして、感染予防に気をつけてください。
3-2. 鼻水のかみかた
吸い取り方のお話しは色々してみましたが、大人のように鼻はいつからかめるようになるでしょう?
もちろん個人差はありますが、小さな時から習慣づけることが大切です。お母さんの言っていることを理解できる2歳前ごろから、少しづつ練習することで、できるようになってきます。
まずはサラサラの鼻水を拭き取る時に、お母さんが一緒に手を添えて練習してみましょう。
3-2-1.元気な時に練習をしてみる
ティッシュを細く割いてみます。割いたティッシュの先っぽをクシュっとまとめて片方の鼻の入り口に入れます。(残りのティッシュは鼻から出ている状態です)
ティッシュを入れていない片方の小鼻を押さえ、「ふん」と飛ばす練習です。遊びと思うと子供も乗ってきますよ。
いざ鼻水が出たって時に「この間やったみたいにティッシュをふんって飛ばしてごらん」そう言って誘導してみてくださいね。
鼻をかむときは「片方ずつ」が原則です。片方を抑えて出口をふさぐことで、もう片方の鼻づまりの鼻水を外に出せるように、遊びながら練習します。
3-2-2 片方づつかむ
では、正しい鼻のかみ方ってどんな感じでしょう。
子供の鼻水を見つけると「待ちなさい!と追いかけ、大きなティッシュで鼻全体を掴んで「ふん」ってするんでしょ!」ってお話しをしている姿を見かけます。
けれど、これでは「ふん」ってできませんよ。(正しいも何もないのですが、小さい子は一度にあれもこれも覚えられないし、できないので、ここは真剣に笑)
「鼻をかむ」ということに意識を集中できるように、両足をつけてしっかり踏ん張り、口から息を吸います。
ティッシュを添えて、片方の鼻だけを抑えて「ふん ふん」と2.3回に分けて少しづつ出す…
そう、力の入れすぎは鼻の中を傷つけることや耳につながっているので耳が痛くなってしまうことがあるんです。
何回かに分けて片方の鼻水を出していくことが大切です。
4. 病院に行くのはどんな時?
では、どうなったら病院に行ったらいいでしょうか?お咳などの症状も同じですが 風邪のひき始めなどの軽い水鼻でしたらおうちでお手当てで大丈夫。
ただお熱を伴っていたり、長引く鼻水、白や青バナと言われる「ドロドロ汚い鼻水」は受診してください。
鼻水でかかる科は小児科、耳鼻科です。
大人はそれぞれに「耳鼻科」「胃腸内科」「循環器内科」など細かな科に分かれていますが、小児は「全身を診る」という意味で「外科(骨折、縫合、手術など)」以外は大抵「小児科」で対応できます。
例えば中耳炎になり切開が必要となると耳鼻科へ。となりますが、抗生剤などのお薬の処方でしたら小児科で大丈夫という感じです。
小児科の方がいわゆる「小さな子供」への対応に慣れていますので、普段からかかりつけをお持ちになることをお勧めします。
5. おうちでできる鼻症状の改善法
鼻を吸い取る、鼻をかむなどとともに、お家でできるお手当てをまとめてみました。
お母さんの手をかけ、肌の温もりで症状が緩和されたらいいですね。簡単なものばかりですのでぜひやってみてください。
5-1. アロマを使う
アロマオイルは雑貨屋さんなどでも数百円で売っているものがありますね。
ただ「雑貨」扱いのアロマは香料や酸化防止剤が入っている「芳香剤」扱いです。「自然療法」「精油」としての効能は求められません。
マッサージに使ったり、「精油」としてオイルの効果を求めるときは100%天然の植物オイルを使ってください。
子ども教室ではドテラ、生活の木、ニールズヤード、Medowsの植物性オイルを使っています。
価格は10ccほどで3000円前後と比較的高価ですが、数的で香りの持続は長いですし、製品の信頼度、満足度は高いかなぁと思っています。
鼻づまり、風邪症状には「ティートゥリー」「ユーカリラディアータ」「ラベンサラ」がオススメです。
どれも、森林浴をしているようないい香りがしますので、普段からリラックスしたい時などの癒し効果にも使えます。
5-1-1. 芳香浴
器にお湯を入れ、精油を数的たらします。お顔を近くに持っていくことで加湿効果があり、また湯気を嗅ぐことで鼻の通りを良くします。
じっとすることができない赤ちゃんは入浴時に洗い場でお湯を張って浴室全体で芳香浴ができるようにしてもいいですね。
ディフューザーを使ってもいいですが、ない場合はティッシュに数的垂らして枕元においても芳香浴ができます。
5-1-2. お風呂と足湯
お風呂に入るときは首までしっかり浸かりましょう。首が温もると鼻の通りもよくなります。
またはお昼間、絵本を読みながらなど、小さな椅子に座り足をたらいや大きめ洗面器に貼ったお湯につけます。
すぐに冷めてしまいますのでお風呂より2・3度高め(40〜42℃程度:足が冷えていると熱く感じることもありますので、差し湯で温度を上げてもいいと思います)
くるぶしの辺りが「呼吸器」に関する場所と言われます。足がポカポカ温まるまで5分はつけましょう。
この時も精油を垂らしてお湯を作るとも気持ちがいいです。足湯をした後はお白湯、おっぱいなどで水分補給をしてくださいね。
5-2. ベビーマッサージ
体の中には400以上というツボがあると言われます。この中で鼻の通りを良くするツボをメインにマッサージします。
お母さん手の温もりに「声」が加わることでさらに癒し効果が出てきます。
子供は体全体が耳であるという言葉もあります。体全体を使って「自分は愛されるべき存在なんだ」ということを感じるんですね。
「お鼻の お鼻の マッサージ♪ ○○ちゃんの鼻水なくなれ〜」こんなお歌を作ってもいいし、「ぞうさん ぞうさん お鼻が長いのね」と良く知っている童謡やわらべ歌に合わせてマッサージしても大丈夫です。
さすって、声をかけて「よくなりますように」とマッサージしてあげてくださいね。
全部をしなくても大丈夫。お子さんが気持ちよさそうにしているところから始めてください。
5-2-1. お顔のマッサージ
眉間から小鼻にかけて「スーッ」「スーッ」と流します。副鼻腔のつまりを取っていくマッサージです
5-2-2. 胸のマッサージ
胸を上から下へ流します。胸には「胸腺」と言われる場所があります。ここは免疫機能の働きを支え、体全体の不調をとる場所。寝ているときに「トントン」とする場所ですね。
5-2-3. 脇腹のマッサージ
また脇の下は「脇肋(わきろく)」という呼吸器機能の改善が図れる場所がありますので、こちらもお母さんの手のひら全体で包むように上から下へ撫でてあげてください。
6. まとめ
今回は子供によくある「鼻づまり、鼻水」についてのお話しでした。
鼻水は一回出だすとなかなか治りにくいものですが、「悪いものを追い出している体の働き」なんだ。と理解し、子供の直す力を助けてあげられたらいいなと思います。
ただ小さな赤ちゃんや、数日経ってお熱が出てきたり、鼻水の色が汚くなってきた時には病院へ行きましょう。
耳鼻科でもいいですが、最初は小児科で全身を診て診断してもらう事がいいと思います。
子供が鼻をかむって難しい事ですね。まずは嫌がらないように上手に拭き取る、吸い取るをして、徐々に鼻をかむ事ができるように応援してあげてください。
鼻をかむのは「片方ずつ」数回に分けて少しづつ出すのがポイントです。
2歳の頃になると好きなキャラクターがあるかもしれませんね。可愛いポケットティッシュを買って、これで頑張ろう♪といった特別感もありだと思います。
色々書きましたが、個人的には少々の鼻水を垂らしながらも お外で元気に遊んでいる子供を見ると応援したくなります。
子供は風の子、元気な子!
ちょっとぐらいの水っぱな、いっぱい遊んでいっぱい食べて、いっぱい眠って治しちゃえ!そんな強い子に育って欲しいなぁって思っています。
おうち子ども教室♡いちご組
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