こんにちは。看護師 飯田です
赤ちゃんが生まれてすぐから飲み続けたお母さんのおっぱい。
1歳前後のお母さんとお話ししていると「おばあちゃんから もう栄養がないからやめなさいって言われた。」や、「離乳食が進んできたからもう卒乳してもいいかなと思っています。」など、「おっぱいの終わる日」についていろんなご意見を伺うことがあります。
子育てには正解がない。けれど、おっぱいは今だけのものですよね。
みんなに言われるからとか、なんとなくそんな時期かなぁって感じでおっぱいの終わりを決めてしまうのは勿体無いなぁって、いつも思います。
我が子はもう小学生、抱っこどころか、手を繋ぐことさえ恥ずかしがってしてくれないことがあります。本当に今更ですが「あーあの頃に戻りたい!」そう思う日も1回や2回ではないので、尚更そう思うのかもしれません笑
今回は そもそもお子さん自身はおっぱいのコト、どう考えているの?そんな視点も入れながらおっぱいの役割を見直し、「どんなさよなら」がいいかな?って一緒に考えていきます。
各ご家庭で お母さんも赤ちゃんもが納得できる『我が家の卒乳』を考えるきっかけになったらいいなと思いますので、おっぱい大好き、おっぱい星人を子育て中のお母さん、ご覧ください♡
目次
1、母乳の意味(おっぱいの時間)
さよならを考える前にまず、赤ちゃんが生まれてすぐから飲んでいる母乳=おっぱいの役割を見直してみましょう。
母乳は「唯一無二のオーダーメード食」と言われていることを知っていますか?
どんなに優秀な研究者が たくさんの時間と費用を費やして開発して「母乳に近い」ミルクは作ることはできても「母乳」そのものは作れない。母乳はその時々に必要な内容のおっぱいが、必要な量だけ作られるからこう言われるのです。これはどれだけ月齢がたっても同じです。
また、おっぱいを飲んでいる時間は何にも代えがたいお母さんとの蜜月の時間です。
お母さんの手に抱かれ、鼓動を感じることは精神の安定剤。知らず知らずの間に「ぼくは守られているんだ」と自尊感情を育んでいます。これも重要なおっぱいをあげる意義になります。
ひと昔前までは1歳になったらおっぱいを終わることがさも当たり前のように語られていました。「栄養がなくなって水になる。」実は私も1人目育児をしている時 自分もおっぱいも全否定されているような言葉を聞いて、悲しくなったことがありました。
でも決してそんなことはありませんよ。母乳はその子の成長に合わせて徐々に回数も減り、離乳食や幼児食、水分の取り方に応じて、足りないところを補っていくのです。
何より心の栄養は買ってきたベビーフードに負けるわけがありません♡ 強い心を持って、赤ちゃんを信じてあげてほしいなと思います。
大きくなればなるほどハイハイやあんよでお母さんの手の中から離れる時間ができてきますね。だからこそ、帰ってきて安心する…「戻ってくる場所がここにある」これを確認し、安心してまた一歩少しづつ外の世界に足を運び出すことを繰り返していく過程が大切なのです。
母乳の栄養学的断乳は9ヶ月、心理学的卒乳は2~3才と日本母乳の会、南部先生はおっしゃっています。2歳や3歳の自然卒乳を迎えた子の方が、自立度が高いという研究結果を発表した団体もあります。
母乳の卒業は実は心と体の自立の第一歩なんですね。周りの無責任な声に負けず、その子としっかり向き合ってその子の歩みに寄り添ってあげてほしいなと思います。
2、卒乳の考え方
赤ちゃんがおっぱいを終えることを、その経過ややり方によって「断乳」「言い聞かせ卒乳」「自然卒乳」と言う呼び方で言うことがあります。それぞれどう言ったことを指すのか見て見ましょう。
2−1.断乳
2002年母子健康手帳から、断乳という言葉が使われなくなりました。お母さん側の都合で母乳をやめる日を決めて 授乳をやめることを断乳と言います。
2−2.卒乳
断乳に対し「赤ちゃん」主導のおしまいが卒乳と言えます。お母さんのおっぱいも急に止めることで乳腺炎になってしまうなんてことを回避できますし、赤ちゃんにとって心と体の準備ができてからの自立になります。
大人と全く同じものが食べれるならまだしも、まだ歯も全て揃っておらず、ものを噛む力もきちんとできない小さな子どもにとって いきなり食べ物だけを摂取して、消化して栄養を取り込むのは無理なお話ししです。
100%食事から栄養を取るようになるまでには 噛む力、飲み込む力、栄養を取り込んで、排泄する力が必要です。
赤ちゃん自身が自分の心と体の機能、状態に合わせ、少しづつ回数を減らし、最後は夜に寝るときや不安なことがある時にやって来て、気づけば終わっていく。と言うのが自然の流れなのです。
2−2−1.言い聞かせ卒乳
卒乳の中でも、まずはお母さんから各ご家庭のご事情である程度の時期を決め お互い無理のないようにいい方法を考え、赤ちゃんの意思を確認して終わりを迎えることを「言い聞かせ卒乳」と呼びます。
私たちに「おっぱいの終わらせ方」をご相談される方のほとんどはこの「言い聞かせ卒乳」について尋ねられます。
2−2−2.自然卒乳
これをもっと赤ちゃん主導に迎えるのが「自然卒乳」です。おっぱいがなくっても大丈夫。ねんねの時もトントンしていたら知らない間に寝るようになった。気づいたらおっぱいがなくっても過ごせるようになったと、おっぱいに執着しなくなり、自然な流れで徐々に回数が減り、卒業していくおしまいのしかたです。
3.卒乳の時期はいつ?
では、卒乳の時期の現状を見て見ましょう。日本では卒乳の時期は1歳までは20%、1歳半で50%、2歳で80%、それ以上が20%というデーターがあります。
これは 言い聞かせ卒乳をされる方も多いので80%ぐらいの方が2才ごろでおっぱいを終わられていると言う結果になるんだろうと思います。
ここで世界を見渡してみましょう。なんと驚くのはユニセフの統計。全世界を見渡すと卒乳の平均は4歳!!なんだそうですよ。
WHO(世界保険機構)も2歳過ぎまで母乳で育てましょう。という考えを推進しているんです。
自然卒乳を目指したら、個人差はあるものの きっとこのぐらいの年齢まで、子どもは母乳を欲しているとも言えるのではないでしょうか。
卒乳を考える時には『早い卒乳が偉いわけでも 早い卒乳がすごいわけでもない』『これまで大切に過ごしてきたおっぱいの時間、終わり良ければすべて良し!この流れを作ることが今後の子育てにも大きく影響を及ぼす。』そう考え、お母さんもお子さんも納得のいく方法を考える必要があると言えます。
4、まとめ
母乳を与える期間は赤ちゃんが決めるもの。これが一番自然な考え方です。だっておっぱいは赤ちゃんの心と体の栄養だから。
周りには良かれと思っていろんな意見を教えてくれる人がいます。けれど子育てで大切な「自分は自分、人は人」の信念をもつこと…もしかしたら卒乳は子育てで一番最初の『お母さんの考え方』を問われ、乗り越えていくハードルなのかもしれません。
「そうなんですね 知らなかった!だけどうちの子おっぱい星人なんです。私も不器用だから無理に辞めさせるなんてできません。いいですねーお宅は♡」なんてニコって笑いながら 適当な返しができるようになったら花マルかな?笑
まだまだ「卒乳」は奥深いので 卒乳の進め方や 卒乳時のおっぱいのケアについてはまた別記事でご紹介していきたいと思います。せっかくのおっぱいの時間、いいフィナーレを飾れるように一緒に考えていきましょうね。
おうち子ども教室♡いちご組
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いいだ よしこ
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