こんにちは。飯田です。
前回は赤ちゃんの予防接種の中でも「定期予防接種」についてお伝えしました。でも「定期予防接種」に挙げられていなくっても気になる予防接種、他にもありますよね。
今回は「ロタウィルス」や「おたふく風邪」…赤ちゃんの予防接種の中でも「任意予防接種」と言われるものについて、考え方や種類、また「任意」で受けるものはほとんどが自費接種になりますので費用についてお話していきます。
目次
1.任意予防摂取の意味と義務
任意予防接種は、個人が必要に応じて受ける予防接種です。定期予防接種で対象年齢を過ぎた場合の接種も、任意予防接種として受けることになります。
任意といっても重要性が低いというわけではなく、感染力が強いものにかかると重症化するものもあります。 個人個人の環境で、例えば保育園に入所して感染リスクが上がる。住んでいる地域で感染者が増えている、などに合わせて接種します。
2.任意予防接種の種類
A型肝炎、インフルエンザ、おたふくかぜ、ロタウイルス、狂犬病などがあります。予防接種名とこれにより防げる病気、そして病気の説明や注意点を表にまとめてみましたのでご覧くださいね。
予防接種名 | 防げる病気 | 病気の説明・注意点 |
ロタテック
ロタリックス |
ロタウィルス胃腸炎
(感染性胃腸炎) |
生涯何度もかかるが、生後6ヶ月から2歳が重症化しやすい。下痢嘔吐が続き脱水症状を引き起こす。 |
A型肝炎ワクチン
|
A型肝炎 | ウィルスで汚染された食べ物を介しても移る(低開発国などで高い) |
インフルエンザワクチン | 季節性インフルエンザ注1) | 予防接種効果が5ヶ月ほどしか持たないので、必要な場合は毎年接種が必要 |
おたふく風邪ワクチン | おたふく風邪(ムンプス) | 髄膜炎や難聴の合併症を引き起こすことがある。また、大人になってから罹ると重症化しやすい。 |
狂犬病 | 狂犬病 | 感染したら死亡率が高い(アジア圏に行く時は確認) |
注1)インフルエンザワクチンは65歳以上の高齢者では「定期予防接種」になります。
3,赤ちゃんで接種率が高い任意予防接種は?
任意予防接種は自費接種であることがほとんどです。また、それでなくっても「定期予防接種」で毎月のように予防接種が入っていると予防接種ばかり、これ以上かわいそう。そんな気にもなります。
ここで考えなくてはいけないのが「うちの子はどうする」の保護者の判断です。判断材料として特に赤ちゃんの保護者が悩まれる「ロタウィルス」「おたふく風邪」「インフルエンザ」について、簡単にどんな病気で、どんなときに接種を選んだらいいのかの目安になる説明をしていきます。色んな考え方がありますのでご参考になり、不安なことは接種される医師に確認をしてくださいね。
3-1,ロタウィルス
生涯何度もかかって行くウィルスですが、罹ってしまっても治す薬はありません。(対症療法といって脱水に対して水分補給の点滴をするなどの治療になります)
お母さんからの免疫が消えていく生後6ヶ月以降にかかりやすく、初めてかかった時が一番重症化しやすいので、初感染の時に重症化しにくくするために開発されました。
ロタのワクチンは内服です。ロタリックスは2回を6ヶ月まで、ロタテックは3回を生後8ヶ月までに終わらなければいけないので生後2ヶ月になったらすぐに接種を始めなければなりません。
3-2,おたふく風邪
皆さんも小さなときに罹ったことがあるのではないでしょうか?熱と首のリンパが腫れる病気です。飛沫感染(唾など)や接触感染でうつるので幼稚園時期の3−6歳で罹る子どもが多いです。
罹った後に難聴になったり、思春期以降にかかると男性は睾丸炎になることがあったり、またひどい場合は髄膜炎に罹るなど重篤な症状が出ることがあるので予防接種を勧める病院が多いです。
1歳以降で接種できるので、上に幼稚園児がいる場合や集団生活に入る前に受けてもいいでしょう。日本小児科学会では1歳で接種後 効果を確実にするため小学校入学前の5−7歳で2回目接種を推奨しています。
3-3,季節性インフルエンザ
冬の怖い病気というとインフルエンザをあげる方も多いのではないでしょうか。これを予防する目的であるのがインフルエンザの予防接種です。
ただ大人でも有効率は低く、他の予防接種に比べ、予防効果が高くないのが悩みどころです。
さらに子どもに関しては 接種できるのは生後6ヵ月からですが、3歳未満にはさらに効果が低いとも言われています。
ただ、インフルエンザに罹って肺炎や脳炎など重症化を防ぎたいという意味では、そもそも接種をしないよりはインフルエンザになりにくい→重症化する機会を減らすことができる。という考えができます。
2016/2017年の予防接種は4価と言ってA型B型2種類づつ計4種類に対する効果を狙ったものになっています。赤ちゃんの接種量も増えていますのでそう言った意味で今後効果が上がっていくことも考えられます。
「インフルエンザ予防」の観点で見ると、特に人混みなどに出かけない、電車で通勤をしているお父さんが予防接種を打ったり、マスクや手洗いで予防に努め、家に菌を持ち込まないと言うように、「まず身近な大人が罹らないようにする」予防が必要だといえます。
4,任意予防摂取の費用
地域によっては助成を受けられるところもありますが 各ご家庭の判断でといった意味で、基本的に全額自費負担です。
また、自費なので病院によって設定されている値段はまちまちです。
先ほどの赤ちゃん対象の予防接種で見ると大体下記のような値段がかかります。
■ロタウィルス:1回1万円〜1万五千円
2回または3回で3万円前後
■おたふく風邪:1回5000〜7000円
2回すると1万円前後
■季節性インフルエンザ(6ヶ月〜13歳未満)1回2500円〜4000円
2回で5000円〜8000円
自由診療なので、診療所や病院、また地域によっても価格設定はまちまちです。
インフルエンザなどは企業で家族にも補助金を出す場合もありますし、自治体が補助金を交付している場合などもあります。補助金に対してはお住まいの地域などでご確認ください。
5,まとめ
今回は「任意予防接種」と言われる予防接種について見ていきました。定期予防接種との一番の違いはやはり値段設定だと思います。
しかし、保育園に入所する場合は罹ってしまったら子どもがしんどいのはもちろん、保護者も仕事を何日も休んで看病しなくてはいけなかったり、幼稚園をお休みして行事に出席できなかった。ということもあります。
経済的な負担はありますが かかると重症化することも多い病気ですので その年の流行具合や家庭環境(例えば保育園に入所するからロタワクチンを摂取する等)と照らし合わせ 接種を考える必要があるといえます。
定期予防接種と同時にスケジュールを組んで行く必要があるものもありますので、予防接種に対してかかりつけ医を持っておき、スケジュールを組んでもらったり、必要性を個別に考えてもらうこともいいと思います。
病院は病気になった時だけに行くものではありません。予防医学の観点からもいろんな相談に乗ってくれると思いますので、「この子のことを」よくわかってくれる、そんなかかりつけ医を持っておけるといいですね。
(参考:日本小児科学会HP 日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール 2016改)
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