こんにちは。看護師の飯田です。
いいお天気が続くと、さぁお外に出かけよう。そんなワクワクの気分になりますね。
小さな子供たちも同じです。
保育園の2歳児のクラスをのぞいてみると、朝から「ねぇしぇんしぇ、おしゃんぽいく?」可愛いクリクリのお目目で小さな子供がお話ししてくれます。
「朝のお歌を歌ったら行こうね」そんなお話しもちゃんと理解できて、朝のお歌が終わるや否や「しぇんしぇ、おしゃんぽ おしゃんぽ!」みんながそそくさと帽子をかぶり、靴箱に猛ダッシュ!
みんながそれぞれにお話しをしてくれます
「これね、ママがかってくれたの」
「これね、かっこいいやつなの」
「〇〇ちゃんと一緒だね」
みんな自分の靴がいかに素敵なのか自慢大会が始まります。
この靴を履いたらお外に行ける。たくさん遊べる。そう思ったら、きっと、「靴」ってとびっきりの宝物なんですね。
今回は、小さな子供達の宝物「靴」に付いてお話ししていきたいと思います。
大切な「靴」ですが、機能があっても、きちんとはけていなかったり、おしゃれ重視ですぐ脱げてしまったりとちゃんと機能を果たせないことも。靴って実は「選ぶ」ところが重要です。
どんどん大きくなる足の大きさに合わせてサイズだって変わっていきますね。
その時、その時に合わせたサイズ選びや、靴選びのポイントについて考えていきたいと思います。
目次
1. 子供の足の特徴
では初めに、赤ちゃんの足と大人の足、何が違うか比べて見ましょう。
赤ちゃんや小さな子供の足はぷよぷよで、柔らかい、土踏まずがあまりない。この辺りのお答えが出てくるでしょうか。
そうですね、どれも正解です。
ねんねの頃はそもそも足を使うことがなかったので、筋肉も未発達です。だから柔らかいのも納得なのですが、実は足の骨がまだできていないってこと、知っていましたか?
どういうことでしょうか。まずはそこから見ていきたいと思います。
1-1. 赤ちゃんの足の骨
足の骨は指側から大きく分けて「指骨:しこつ」「中足骨:ちゅうそっこつ」「足根骨:そっこんこつ」の3つの部分に分かれています。
出典:http://rapport.ti-da.net/e2602742.html
この足根骨(かかとのあたりの骨)は、生まれてすぐの頃は軟骨で、全てが出来上がっていません。成長と共にカルシウムが蓄積し、4歳ごろにやっと大人のように骨が揃ってくるのです。
4歳といえば、飛んだり跳ねたりかけっこしたりと、しっかり「足」を使って動き出す時期ですね。この頃にやっと骨の数が揃うっていうこと。
そして、まだまだ驚くべきことは、これで完成ではないんです。
骨の数は揃っても、大人のようにしっかり骨と骨がひっついて完成するのは実は17歳、18歳ごろ。えーっ⁉︎って、びっくりしませんか?
でもよく考えるとこれも納得。17歳、18歳というと高校生の終わり頃。足のサイズもそのあたりで止まりますよね。
要するに、足はそれまでにたくさん歩いたり、走ったりの積み重ねで靭帯や筋肉が発達し「土台」が出来上がる…ゆっくりとした日々の積み重ねで出来上がっていくものなのですね。
1-2. 赤ちゃんの土踏まず
もう一つ未完成なのが土踏まずです。足で前に前に歩く時、どこに体重がかかるでしょうか。足をロボットのように「どん どん」と上から下に振り下ろすように歩くことってないですよね。
ゆっくり歩いて見るとよくわかると思いますが、前に一歩踏み出してみると、まずかかとそしてあしの裏の外側から内側に体重移動しています。
土踏まずは体全体の重さを支え、外側から内側へかかる衝撃を和らげる働きがあります。
またバネのように上に持ち上げる力が働いて、しっかり歩くことができるんです。足は第二の心臓って言葉があります。
ベビーマッサージなどでもよくお伝えするのですが、足は体の中で一番心臓から遠い場所にあります。
立ってみると心臓から流れた血は下に降りて来ます。この時に、足先までしっかり動いて、歩くことや足を使うことで、血はまた全身に巡るために戻る力が出てくるのです。この拍動の力を出す原動力も「足の力」
まだ土踏まずが完成していない子供は衝撃がきちんと吸収できず、またバネの力もないためにすぐにつまずいたりするのです。
足の骨も土踏まずも未完成・・・ということは、足は使って鍛えながら成長を待つってことですよね。ここに「靴選び」が必要になってくる意味があるのだと思います。
これから長い人生を共に歩んでいく「足」。からだとともにまだまだ成長途中。末長くお付き合いできるように、大切に育んでいきたいですね。
では、未完成の足をサポートする靴、サァどうやって選んでいきましょうか。一緒に見ていきましょう。
2. 赤ちゃん、小さな子供の靴選びポイント
靴やさんを覗くと、小さな可愛い靴がズラーっと並んでいます。
「これも可愛い」「こっちも」女の子は色やデザインの可愛さに一目惚れ。男の子だって、大人と同じモデルのキッズ版などもあってお洋服と一緒、あっちもこっちもと目移りしてしまいますね。
こんな時に選ぶポイントにオススメするのは「保育園の子供達の姿」です。
保育園の子供達は園庭で思いっきり遊びます。デザインは二の次。入園当初に大抵の園では、「泥んこになってもいい靴、すぐに脱げない靴。履きやすい靴をご用意ください。」と説明があります。
「子供の遊び、成長を助ける」という根本の目的を果たす靴選び、選ぶポイントを見ていきたいと思います。
2-1. 靴のサイズはどうやって決める?
ファーストシューズはデパートのシューズフィッターさんに測ってもらって購入した方も、2足目、3足目と靴サイズがどんどん上がっていく現状に、「靴ばっかり買っている気がする」「ちょっと大きめ買っちゃおう」そんな勿体無い心理が働くのではないでしょうか?
実際、3歳ごろまでは3ヶ月、6歳ごろには半年ごとぐらいのスピードでの子供の靴のサイズはどんどん上がっていきます。
3ヶ月でサイズアウト!「えーこの前買ったばっかりなのに。」その繰り返しですね。
サイズは大きくなっても、先ほどお話ししたように骨も土踏まずもまだ未完成。
大人もそうですが、足は長さだけでなく甲の高さ、足回りの大きさとみんな違うんです。
靴だって、同じサイズでもメーカーや日本製・外国製などによってもサイズが微妙に違います。
ネットなどで買うよりも、子供と一緒に試着し実際に合わせることが大切です。かかとを靴にしっかりつけてトントンしてみて、つま先に0.5〜1cmほど余裕があるものを選んであげましょう。
またこの時つま先は、蹴り返しをするために指が反り返るスペースのあるサイズがいいでしょう。
2-2. 靴の形はどんなのがオススメ?
骨が未完成の小さな足を保護する意味で、ふわふわした布製ではなく、スニーカータイプのものを選びましょう。
かかとがしっかり支えられる硬さのもの、指先でしっかり踏ん張れるようにつま先に1cmほどの余裕と高さがあるものを探してみましょう。
小さな間は、くるぶしぐらいのハイカットのものが、より足のかかとをしっかりサポートできます。
スリッポンタイプ、靴紐タイプ、マジックテープなどいろんな形がありますが、履きやすさではスリッポンタイプが上がってきますが、脱げてしまうとこけてしまったり、思わぬ怪我になってしまうこともあります。
マジックテープや紐で甲をしっかり固定できるものがいいでしょう。紐は解けてしまうと踏んでしまうこともありますので、紐の先を中に入れ込むか、マジックテープのものが使いやすいと思います。
また、夏などつま先の部分が開いているものがありますが、これではつま先が保護できずに危険です。
サンダルタイプでも、足先とかかとがしっかり保護できるものを選んでくださいね。メッシュ素材など、素材が違うだけでも夏場でも蒸れずに快適に履くことができます。
2-3. 靴の買い替えポイントはいつ?
買い替えポイントはもちろん「サイズ」です。
足は歩く時に指骨と中足骨の間が曲がって歩きますね。この動きに沿うように、靴もこの場所が一緒に曲がらないといけません。
大きすぎや小さすぎは、この場所がずれてしまいつまづいたり、変なところに力が入ってうまく歩けなくなります。
最近よくつまずく、よく転けてるなっていう場面が見られるようになった時は、一度靴のサイズを確認して見ましょう。
「えーもう!?」そんな嘆きは子供の成長と喜びに変え、一緒に靴選びに足を運んでくださいね
3. 靴を履くのを嫌がったらどうする?
中には靴が嫌みたい・・・って靴嫌いのお子さんもいます。丁度1歳・2歳の頃は自我が育ち始め、イヤイヤ期に差し掛かっていることも。こんな時の対応も考えてみましょう。
3-1. あえて「履かせない」選び方もあり
どうする?って聞かれたらとりあえず「いや」
そんな時は無理しないのも一つです。ベビーカーや車で移動する間は裸足で、おかあさんは荷物の中にそっと子供の靴を入れて持ち運びます。
目的地について立ったり、歩いたり、遊びたくなった時には「靴を履かないと遊べないよ」ということをお話しします。
「道路は熱いのよ」と少し触らせてみるのもいいですし、「(石などで)あんよイタイイタイになるよ。どうする?」と子供にどうしたらいいのか聞いて見ましょう。
芝生など安全な場所なら裸足もありかもしれないですし、足の裏が痛くなる。靴を履かないと遊べない。この意味が分かれば、時期が来て、きっと靴を履く日が来ます。
1.2歳の頃は「靴嫌だ〜」の子もいるものですが、例えば小学生で学校に行くのに裸足がいい!って子はいないものです。
いつかはオムツが取れるのと一緒だなぁ。またここでも母の忍耐が試されているのかもしれません。母修行の日々は続きますね。
頑固なイヤイヤ期に、お母さんも一緒に「こうしなければいけません」とかたくなな対応をしてしまってはらちがあきませんね。
ここは少し大人な対応で、深呼吸。
「一度はやってごらんなさい」と見守り、いつでも履きたくなった時にはスッと履かせられるように、用意だけしておくのもアリだと思います。
3-2. 長靴・サンダルでお気に入りを選ぶ
絶対に「靴はいや」って頑固ちゃんには、とりあえず足を保護するという意味で「なんでもいいから履かせる」って手もあります。
こういう時は大抵長靴だったり、サンダルだったりするのですが、公園など行って、周りを見渡すととってもいいお天気なのに「あっ長靴履いてる」って子がちらほらいるものです。
そうそう、それでいい。
私はそんな姿を見るとほほえましく思います。お家を出る時のお母さんと子供のやりとりが目に浮かんできますよね。
思い返せば我が家でも、息子が保育園にいく時に時々ありました。
玄関までスムーズに出て来て、さぁあとは出かけるだけ。そんな時になって、ふと目に留まったお気に入りの長靴。
「今日はこれにしーよお!」と満足げな息子。「しまったー」と思っても後の祭りです。
ここで、「だめ、保育園でいっぱい遊ぶんでしょ。お靴でいくよ」そんな正論が通るわけもなく、泣いて叫んで機嫌が悪くなるのがオチです。
あーあ。の深いため息を心の中にしまって、運動靴をカバンに忍ばせ登園します。案の定途中で出会う近所のおばさんには「あら今日は長靴なの?」って聞かれたり、ちらっと後ろを振り返られたり。
けれど、子供にはそれが羨望の眼差しにも映るのでしょうか?「アメ アメ フレフレ かーさんが♪」なんて口ずさんじゃって、またもや「今日雨じゃないし!」と突っ込みどころ満載な登園になるのです。
こんな日は諦めます。登園したら先生に、「今日はこっちが良かったみたいです。すみません笑」って長靴できてしまったことを報告し、運動靴を手渡します。
すると、先生もよ〜くわかってくれているので、「はいはいお預かりしますね」と受け取ってくれます。
そう、これでいいのです。子供は自分で決めたこと、そしてそれが実行できたことに何より満足を感じています。
こうやって逆らわずにいくと、目的地(この場合は保育園)について、サァ遊ぼうって時は、迷わず運動靴を履いてくれるものです。
サンダルも同じですね。冬なのに素足でサンダル。これがおかしいってわかるのはずーっと後のこと。とりあえず「靴を履いて家を出れた」ということで妥協して、靴は持ち運び。
冷たくなった足、寒さで「あれ?これ違った?」そんな気づきを笑い飛ばしながら靴下を履いて靴に履き替えさせてあげてください。
だって、かけっこするのも滑り台で滑るのも、やっぱり運動靴じゃなきゃ動けない。砂場に行ったら土がたくさん入ってきちゃう。
しばらく長靴やサンダルを履いていても、いつか子供自身が「あれ?やっぱりこれじゃ脱げちゃうな、こけちゃうな」って気づく時が来るから。
とっても回り道の「靴選び」ですが、最低限「靴を履いてほしい」から、子供の成長に合わせてた靴選びまで、子供が好きなポイントを見ながら一緒に選んでいくのがいいんだなぁって思います。
3-3. 絵本で興味を持たせる
靴を始めた履く頃の子に見られるイヤイヤに、靴を履くことで固定されることのなんとも言えない違和感もあるようです。
確かに靴より靴下、靴下よりも裸足。
お家で過ごしていた時は指先まで解放されていた爽快感が、靴に足を通すことでなんだかぎゅーっと固定される感じがするのかもしれませんね。
こんな時にオススメは「絵本」を取り入れること。図書館や本屋さんをのぞいて見ると意外とあるんです。「お靴」のお話
今回はこの中でも大好きな林明子さんの絵本をご紹介します。
かわいい「くつ」が主人公のこの絵本。「靴を履いてお出かけするのが楽しみだし、いいな」ってきっと思える絵本です。
絵本を読んで、「さぁ○○ちゃんも くっく履いて出かけよう!」そうやって誘うのもいいですよ!
題名:くつくつあるけ 作・絵: 林 明子 出版社: 福音館書店
本体価格: ¥800 +税
4. まとめ
娘のファーストシューズを買いにデパートへ行った時、「シューズフィッター」さんなる職業の方がいることに驚いたものです。
けれど、このフィッターさんは大人気。子供を上手にあやしてくれてさささって足の長さから形まで見てくれます。
なんだか気づいたら予防接種を終わらせてくれる、小児科の看護師さんを見ているよう。笑
ついつい仕事目線で見てしまいますが、まだ自分で「きつい」「履きやすい」などが表現できない小さなうちは、できたらこうやって、しっかりその子の「足」に合わせた靴を選んであげてほしいなって思います。
まずはお部屋で「靴になれる」のもいいですね。数回履いて慣れたら、お外に出るたびに「お靴を履いてお外に出る」ということが当たり前になるように教えていきます。
今日はダメー、嫌だっていう時は逆らわないのも一つですね。
例えば長靴だったら妥協するのか、それも嫌なのか、そのあたりを見極めて、履かせたいお靴はお母さんのカバンの中へ。
目的地についてから、ご機嫌を見て何事もなかったかのようにスッと履かせ直してみたり、「公園で遊ぶ時は痛いから、お靴だよ」と改めてお話しをすると、納得してくれるかもしれません。
子供にも好みってありますね。形とサイズが決まったら柄や色は子供に任せ、お気に入りを選ばせてあげてください。
きっと自分が選んだって思えたものは「え?その色?その柄?」って思うものでも子供にとってとびっきりの宝物になりますよ。
お気に入りの靴でたくさん遊んで、足の成長、子供自身の成長の助けになったらいいなと思います。
おうち子ども教室♡いちご組
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