こんにちは。保育士の柳です。
今回は、イヤイヤ期の子どもへの接し方☆6つの方法についてお話していきます。
よく教室やサロン参加者のお母さんたちから、「1歳を過ぎてから、洋服を嫌がって着たがらなくなったんです。」「最近、なんでもイヤイヤと嫌がるようになりました。赤ちゃんの頃はそんなことなかったのに・・・」などと相談を受けることがあります。
目次
1.イヤイヤ期はいつから?|子どもの独立宣言
大人から見ると困った子どものイヤイヤ。ママだってもうイヤ!!と言いたくなる時もありますよね。
1歳から3歳代の子ども、特に1歳後半〜2歳代は自分の欲求を抑えることが難しい年代です。
でもこのイヤイヤは、発達心理学的には「心がしっかり育っている証拠だね!おめでとう!」という嬉しい成長。
だから本当は「イヤイヤ期」ではなくて「ココロスクスク期」。
大人から見るとマイナスに見える「イヤイヤ期」の裏側になるのは、成長の証です。
1-1.自我の芽生え
〜人間としての第一歩の自立・自我の芽生える時期〜
赤ちゃんの頃はママとずっと一体感があり、なんでも基本的に大人の思うようにしていましたが、自我が芽生えると子ども自身の感情や意思がはっきりとしてきます。
「寒いから上着を着ようか?」「いや!」
「そろそろ帰ろうか?」「いや!」
「お風呂に入ろうか?」「いや!」
「さあパジャマにお着替えしよう。」「いや!」
何でもかんでも「いや!」と大人のいいなりに行動したくない、「自分はこうしたい」「これが好き」と、子ども自身の心の世界の誕生です。
大人から見ると「ややこしくなった」「扱いにくくなっちゃった」と困った姿に見えますが、おめでとうございます!子どもの大きな心の成長で順調に育っている証です。
だって自分自身の意志・考えのない大人に育ってしまったら、困ってしまいますよね。
子どもの心の中を想像してみながら、子どものイヤイヤ期について見ていきましょう。
1-2.イヤイヤ期とは?|イヤイヤ期はいつまで?
子どもが我慢できない理由を、最新の脳科学が解明してくれました。
脳にある前頭前野という部分。この部分は、欲求を抑えるなど「抑制機能」を担っています。
大人の場合は何か欲求が通らなくてもこの「前頭前野」が働いて抑制してくれますが、幼児期の「前頭前野」はまだ発達途中で抑制機能が十分に育っておらず、本能的な欲求を抑えることができません。
これが「イヤイヤ」の正体だと言われています。
欲求を抑える機能が未発達な上に、自我が芽生え「自分はなんでもできるんだ!」と自信がついてきたこの時期。
頭の中のイメージでは上手になんでもひとりでできるのに、まだまだ幼く実力が伴わずにできないと、できないことに我慢ができずにかんしゃくを起こしてしまいます。
例えば「自分でできる!」と頑張って靴を履いてみますが、実力が伴わずできない・・・靴が履けないことに我慢ができずに「いやいや!」と怒り、大人が手を貸して靴を履かせようとするとさらに怒る・・・ということは、どの子も通る道です。
1-3.イヤイヤ期にイライラしない接し方・対応
嬉しい成長の[ココロスクスク期]なのですが、子どもへの対応の仕方で親として悩み迷うのもこの時期。困っているママのお悩み相談です。
1-3-1.「自分の思い通りにならないと、かんしゃくを起こし奇声を発して暴れるので困っています。」1歳児のママ
赤ちゃんのうちは、声を出すのが楽しかったり嬉しいと奇声をあげたりしましたね。
それが1歳を過ぎると、自分でできることが増えて、自己主張も強くなり、「こうしたい」という欲求もしっかり激しくなります。
奇声を発した時に。「うるさい!」「ダメ!」と怒るだけでは、火に油を注ぐように子どもはますますエスカレートしてしまいます。
1-4.子どもの気持ちを想像する・代弁してあげる
そんな時は、「もしこの子が言葉を話せていたら何て言うかな?」と想像してみてください。
子どもの気持ちを代弁して、「まだ遊びたかったんだよね?」「これを取りたかったんだよね?」とその子が伝えたかった気持ちを言葉にしてみましょう。
少しでも自分の気持ちをわかってくれたと思うと、子どもは会話の楽しさを知ることにつながっていきます。
自分の言葉でしっかり自分の気持ちを伝えられる年齢になれば、奇声を発したりかんしゃくを起こすことも減っていきます♪
2.イヤイヤ期の子どもと上手な接し方 6つのヒント
この時期は、つい親もイライラして子どもとバトルになりがちです。もちろん私もその気持ちはよーくわかります。
大人として、子どもと同じ土俵に乗らずにどう接したら良いのか見ていきましょう。
2-1.①子どもの気持ちをまずは受け止める。(代弁する)
イヤイヤ期の子どもはかんしゃくを起こしたりして混乱していることがほとんどです。
自分でもよく分からない気持ちを、大人が代弁してあげることで子どもの心は落ち着きます。「ボールが欲しかったんだね」「できなくて悲しかったね」と言葉にしていく。
あまりにも激しく泣いているときは、落ち着くまで抱っこしたりしながら気がすむまで泣かせてあげる。
2-2.②親が少し譲歩する・子どもの気持ちを別のものに向ける
例えばもうおしまいと言ったおやつをまだ食べたい!と訴えているなら、「ひとつだけね、これでおしまい」と親も譲れるところは譲歩する。
2-2-1.保育士が使う、イヤイヤ子どもへのとっておき技
グズグズイヤイヤが続くとき、保育士がよく使うとっておきの技をご紹介しますね♪
*気をそらしちゃおう作戦!
子どもの気持ちをまずは一旦受け止めてあげてから、「あ!鳥さんが◯◯ちゃんと遊ぼうよと呼びに来たよ」「すべり台をしに行こうか?」と全く違うことに子どもの気持ちを、ポン!と全く違う方へ向けてあげる。
または、お人形やぬいぐるみを使って「◯◯ちゃん、あそぼうよー♪」と、誘ってみる。
*どっちにする?作戦
例えば、靴下を履くのがイヤ!とぐずっているときには、2種類の靴下を用意し「どっちにする?」と子どもに選ばせてあげる。
自分で選択して決めたことには、子どもは納得するものです。何がイヤだったのかも忘れてご機嫌を直して、いそいそと靴下を履いてくれるかもしれません。
2-3.③小さな子どもにもわかりやすいルールを作る
例えば歩けるのに抱っこばかりせがむ子には、「じゃああの赤いポストまで抱っこしたら、歩こうね!」とわかりやすくゲーム感覚で我慢することを学んでいく。
2-4.④「ダメ!」ではなく、子どものプライド(自尊心)に働きかける
「ママは〇〇して欲しくないなあ」「2歳のお兄ちゃんになったから、ひとりでできるかな?」など、子どものプライドに働きかけ、絶対に「だからあなたはダメなのね」などと人格を否定するような言葉は使わない。
2-5.⑤子どもがほんの少しでも我慢ができたら、その場ですぐに褒める!
「すごいねーひとりで靴が履けたね」「おやつの時間までおやつを我慢できてえらかったね」と、子どもが頑張った出来事があったらその場ですぐに褒める。タイミングが大切。
ただ、何でもかんでも褒めればいいものではないのです。
親の言う通りに行動してほしくて毎回毎回褒めすぎると、大人や周りの評価ばかり気にするようになってしまいます。
本当に大人がすごいなと思ったときに褒めるようにしましょう。
2-6.⑥①〜⑤を根気よく、何十回・何百回も繰り返す
最初は全く効果が感じられなくても。①から⑤を実践していくうちにその子にあった方法・コツをつかめるようになってきます。
子どもも自分をコントロールする力をつけるため実践中ですが、親も根気よく付き合っていく修行です。
2-7.うちの子、イヤイヤ期がないみたい?
自己主張がはっきりわかりやすく激しく出る子もいれば、わかりづらいし小さいけれどしっかり主張している子もいます。
子どもの個性によって子どもの表れ方はそれぞれですので、子どもの意思のサインをしっかり見てあげてください。
[イヤ]という分かりやすいコトバではなくても、行動で表していることも多いです。
例えば「お家に帰ろうか」と誘っても下を向いて動かなかったり、聞こえているはずなのにいつまでも遊んでいるなど、そんな子どもの行動もしっかりとした自己主張です。
そんな時は「まだ遊びたいんだね」などと、子どもの気持ちを代弁するような言葉をかけていくと、そのうち自分で「まだ遊びたい」ときちんと言葉で意思表示を伝えられるようになってきます。
イヤイヤ期の子どもへの接し方・考え方のまとめ
カナダの心理学者エリック・バーンは、「過去と他人は変えられない。しかし、今ここから始まる未来と自分は変えられる」という言葉を残しました。
子育てに対しても同じですね。
子どもを変えよう変えようと思っても無理なことで、まずは自分の考え・行動を変えていけば未来の状況が変わっていきます。
イヤイヤ期は、子どもの成長を感じながら、親も子どもと一緒に成長できる貴重な時期なのかもしれません。
自我が芽生えてきた子どもの大きなエネルギーと1日中付き合うには、大人もたくさんの体力と知力・エネルギーが必要です。
自分自身の心もリラックスできるよう、家族に子どもを預けひとりになる時間も時には必要ですし、周りの子育て仲間とつながることも大切です。
あと3年後、10年後の子どもの姿を想像してみてください。一生で一度のイヤイヤ期真っ盛りの「今」の子どもがとっても愛おしく感じてきませんか?
私たちも悩みながら一緒に親になっていきましょう。
おうち子ども教室♡いちご組
関連記事
やなぎ あいこ
最新記事 by やなぎ あいこ (全て見る)
- 大自然の中で感性を磨く!石田勝紀先生と【農業✖️教育1dayイベント】 - 2023年8月27日
- 9月子育て応援サロンココロ - 2023年8月27日
- 一生もの体験しよう!石田勝紀先生監修【農業✖️教育イベント】募集 - 2023年5月8日
- 柏|【子育て応援サロンココロ♪】はじまるよー♪ - 2023年3月1日
- お母さん業は超優秀スキル! - 2021年7月14日